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名古屋で映画「マエストロ!」試写会-松坂桃李さんらが舞台あいさつ

来名した松坂桃李さん(中央)、西田敏行さん(左から2人目)、小林聖太郎監督(右から2人目)

来名した松坂桃李さん(中央)、西田敏行さん(左から2人目)、小林聖太郎監督(右から2人目)

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 丸の内の東建ホール(名古屋市中区丸の内2)で1月12日、映画「マエストロ!」の試写会が行われ、俳優の松坂桃李さんと西田敏行さん、小林聖太郎監督が舞台あいさつを行った。

舞台あいさつで行われた名古屋芸術大学の演奏

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 音楽エンターテインメント映画の同作品は、さそうあきらさんの漫画「マエストロ」が原作。ヨーロッパで多くのオーケストラを指揮してきた佐渡裕さんが指揮指導と指揮演技監修を担当し、ピアニスト・辻井伸行さん(「辻」のしんにょうは、正しくは一点しんにょう)がエンディングテーマを作曲・演奏するほか、シンガー・ソングライターのmiwa(ミワ)さんの映画初出演も話題を集める。第12回文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞作品。

 ストーリーは、若きバイオリニスト香坂(松坂さん)の元に、解散したオーケストラ再結成の話が持ち掛けられる。しかし、練習場は廃工場で、集まったメンバーは再就職先も決まらない「負け組」楽団員たち。再結成を企画した謎の指揮者・天道(西田さん)は経歴も素性も不明で、指揮棒の代わりに大工道具を振り回す。楽団員たちは天道の行動に反発するが、次第に彼の導く音の深さに引き込まれていく。

 舞台あいさつで3人は、満員の来場者からの大きな拍手に包まれ登壇。松坂さんは「足を運んでいただき、本当にありがとうございます。今日は皆さんと一緒に楽しみたい」と呼び掛けた。

 同作品では松坂さん、西田さんがそれぞれバイオリン演奏、指揮に初挑戦した。松坂さんは「もともと学校の授業くらいでしかクラシックを聴いたことが無かった。今回、本格的に聴いて、クラシックは悲しくても、楽しくても、どんな状況で聴いても絶対的な美しさをもっている音楽だと感じた」と話す。

 西田さんは「役を通してクラシックの奥深さ、楽しさを学んだ。佐渡さんに、クラシックにはビタミンが多いと教えてもらった。五感の中にビタミンを注入して感性を豊かにする能力がある。最近はクラシックばかり聴いている」と話し、共に映画が完成した後もクラシックの魅力に引き込まれていると明かした。

 この日は、名古屋芸術大学のオーケストラメンバー6人も登壇。竹内雅一教授の指揮で、映画で松坂さんらが奏でる「未完成交響曲 第一楽章」(シューベルト作曲)の冒頭を生演奏した。松坂さんらは椅子に座り、思い入れの深い曲を楽しんでいた。小林監督は「普通は撮影で何回もかけた曲は嫌になるものだが、クラシックは違う。毎回、違う音楽に聞こえる」と感慨深げだった。

 演奏後、3人は「音楽映画でもあり、人間がみんなで一つのものを作り上げる集団の映画でもある。皆さんの所属する集団のことなどを思いながら見ていただけたら(小林監督)」、「東建ホールで聴く映画の音楽は、この建物なりの音がする。全国公開後は、ほかの映画館ではどんな風に聴こえるか、いろいろ回って楽しんでもらえたら(西田さん)」、「この映画を見れば、日常的に聴いている音楽、自分の中に身近にある音という存在が、どれほど力を持っているかを感じてもらえるはず(松坂さん)」と作品の魅力を語り、同映画の成功を祈る。

 映画上映後は、小林監督が再登壇して座談会を開き、キャスティングの意図や撮影時の苦労など来場者の質問に一つ一つ答えた。フルートを演奏しているという質問者から映画の使用楽器のメーカーを聞かれるなど、予想外の問いに四苦八苦する場面も。監督は最後に「また名古屋に来たい」と来場者に感謝し会場を後にした。

 全国ロードショーは1月31日から。名古屋ではミッドランドスクエアシネマほかで上映する。

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