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那古野に日本酒の熟成古酒専門バー 「おいしさと文化を伝えたい」

オーナーシェフの松浦仁志さん(右)とマネジャーの白浜和彦さん(左)

オーナーシェフの松浦仁志さん(右)とマネジャーの白浜和彦さん(左)

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 名古屋駅から程近い那古野に、日本酒の熟成古酒専門バー「熟成古酒 エルヴァージュ」(名古屋市西区那古野1、TEL 052-710-9798)がオープンして1カ月がたつ。

ケヤキの1枚板を使ったカウンター

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 那古野にある四間道(しけみち)沿いの蔵を店舗にしたフレンチレストラン「四間道レストラン MATSUURA」オーナーシェフの松浦仁志さんが手掛ける同店。10年前に東京の古酒専門バーを訪れた際に、そのおいしさに感動し、「いつか名古屋で古酒のお店を開きたいと思った」と振り返る。「日本酒ブーム、関わる人、イメージに合う物件など全てのタイミングが重なった」ことを機に、同店を開いた。

 長屋の1軒を改装した約15坪の店舗は「和と洋の融合」がテーマ。ケヤキの一枚板のカウンターに8席を並べるほか、4~6人収容できるボックス席を設ける。松浦さんの自家熟成のコレクションを含む古酒がずらりとショーケースに並んでいる。

 古酒は満3年以上熟成させたもの。大きく分けて、琥珀(こはく)色に色付き熟成香が漂う「常温熟成」と、ゆっくり熟成しほんのり熟成香が香る「冷温熟成」の2つ。それに加え、甘みやうま味のバランスを見て古酒を混ぜ合わせて作る「ブレンド」もある。基となる日本酒の仕込み、年数、環境などにより、その香りや味わいはさまざま。

 「明治まで古酒の文化は身近だったが、酒税などが厳しくなり衰退。規制が緩くなり、また造るようになった。日本酒の古酒のおいしさと文化を伝えたい」と松浦さん。「古酒というと紹興酒をイメージされる方も多いと思うが全く違う。そのイメージを払拭(ふっしょく)したい」とマネジャーの白浜和彦さん。

 同店では約30種類の古酒を用意。3年以上、5年以上、10年以上などと熟成年数をメニューに記す。一番古いもので1973(昭和48)年から熟成されたものもある。そのほか、たる仕込みや、日本酒で日本酒を仕込む「貴醸酒」、梅酒などの古酒も。ワイングラスで提供し、価格は800円~。古酒が初めての人に向け貯蔵温度が異なる2種を味わえる「おすすめ古酒 呑(の)み比べセットA」(1,500円、ワイングラスで提供)、3種類を少しずつ味わえる「おすすめ古酒 呑み比べセットB」(2,000円、ショットグラスで提供)も用意する。価格は税抜きで、チャージ料500円が別途必要。

 料理は同レストランが手掛けたもので、2種類のかつお節と昆布、コンソメをブレンドした「おでん」(3種680円、5種1,000円)や、古酒とよく合うというチーズ(単品500円~、盛り合わせ3種1,200円~)、「自家製燻製(くんせい)梅干し」(2個500円)、「燻製ハムの盛り合わせ」(1,200円)といった薫製料理など。

 客層は30~50代。すでにリピーターも増え、女性一人での来店もあるという。「『古酒は苦手』としていた初めてのお客さまから、『価値観が変わった』と言われた時はうれしかった」と白浜さん。

 「名古屋にはこれから外国人観光客が増える。古酒はワインにも近いので受け入れられるのでは」と松浦さん。「四間道レストランでも『2軒目』を尋ねられることが多かったが、名古屋駅周辺には大人が楽しめる遅くまで営業している店が少なかった。レストランから四間道を散歩がてら楽しみながらエルヴァージュを訪れてほしい」とも。

 営業時間は18時~翌1時ごろ。日曜・第3月曜定休。

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