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名駅西シネマスコーレで映画「太陽を掴め」 中村祐太郎監督が来名

来名した中村祐太郎監督

来名した中村祐太郎監督

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 名駅の映画館「シネマスコーレ」(名古屋市中村区椿町8)で12月24日から、映画「太陽を掴(つか)め」が公開される。公開に先立ち、来名した中村祐太郎監督が作品の見どころを語った。

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 同映画は音楽を題材に都会に生きる若者たちにスポットを当てた青春群像劇。高校時代からの同級生、人気上昇中のミュージシャンのヤット(吉村界人さん)、彼を撮るフォトグラファーのタクマ(浅香航大さん)、タクマの元恋人ユミカ(岸井ゆきのさん)の3人が、互いに複雑な感情を抱えながら過ごす日々を、繊細に劇的に描く。

 中村監督は大学の卒業制作で撮った映画「雲の屑(くず)」が、2015年の「東京学生映画祭」でグランプリと観客賞を受賞。「太陽を掴め」が劇場デビュー作となる。「今回は映画のビジュアルに引かれた人や、出演する俳優たちのファンなど、まったく僕を知らない人たちもたくさん見るはず。僕の作家性よりも、俳優たちがキラキラしている姿や、若者のエネルギッシュさを鮮明に映すことを大切にした。今までの作品制作スタイルとはまったく変えて、若い彼らの世界をのぞき見している感じで物語に徹した。自分らしさを結構殺したつもりだったが、僕の作品群を見ている人たちからは、中村らしさが所々に出ていると言われた」と話す。

 出演した3人について「吉村さんは映画映えする人で、格好悪いシーンも彼ならば魅力的に演じられる。浅香さんはタクマのニヒルな格好良さ、愛に枯渇している寂しさを演じてくれた。ユミカはどっちつかずで男を困らせる女性像だが、本心の部分では一番ピュア。岸井さんが見事に表現してくれた」と絶賛する。

 中村監督は「単純なボーイミーツガールではなく、伝えたいことは現代における寂しさ。いろいろな障害が生まれ、なかなかうまくいかない部分がたくさんある寂しい世の中で、信念を曲げないで生きていくことの大切さを訴えている。好きな音楽を聴くように、この作品をポケットに入れて1日を過ごしてもらいたい。ストレートなストーリーを、感じるままに見ていただけたら」と呼び掛ける。

 昨年は中川運河を舞台にしたオムニバス映画「Filmusic in 中川運河・夏」に参加して名古屋で「アーリーサマー」を撮影した中村監督。「名古屋はいい意味でさっぱりしている街という印象。実はSKE48が好きなので、11月にシネマスコーレで打ち合わせをした時にも劇場に見に行った。名古屋はいろいろな劇場があり、映画の街になれるような筋肉がある土地だと思っている。若いクリエーターがどんどん作品を上映できるような場になってほしい」と話す。

 同館では21日・22日に中村監督の全作品特集上映を行う。中村監督は「1作ごとに全く違うことをやってきたが、この5作品を見たら僕の世界は分かるはず。オムニバスで40分に収めざるを得なかった『アーリーサマー』も再編集し、主人公に寄り添うようなドラマ部分を加えた57分の完全版になっている。特集にも足を運んでいただけたら」と多くの来館を祈った。

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