学ぶ・知る

名駅南の「祢宜公園」で社会実験 「灰皿公園」化脱却し、誰もが憩える場目指す

社会実験で分煙促進やポイ捨て防止を検証する目的で部分的に人工芝を設置した「祢宜公園」

社会実験で分煙促進やポイ捨て防止を検証する目的で部分的に人工芝を設置した「祢宜公園」

  • 12

  •  

 名古屋駅近くの「祢宜(ねぎ)公園」(名古屋市中村区名駅南1)で11月28日、社会実験が始まった。「六反学区連絡協議会」「北祢宜町町内会」「名駅南地区まちづくり協議会」の共同事業。

社会実験が始まった名古屋駅近くの「祢宜公園」全体の様子

[広告]

 もともと、地域の人々が子どものために造った祢宜公園。北祢宜町内会長の目黒光枝さんによると、以前は子どものための祭りも開かれていたという。近年、名古屋駅周辺の開発が進み、現在では「灰皿公園」として喫煙者の利用が目立つようになった。「平日はほぼ喫煙者がいる」(目黒さん)といい、名駅南地区まちづくり協議会が7月20日に調査した結果、平日1日の利用状況の94%を喫煙が占めた。

 同協議会副会長代行の内藤誠さんは「吸い殻のポイ捨てが多く、町内会で定期的に清掃しているが全くポイ捨てがなくならない。緑もなく、施設も老朽化し、違法駐輪対策のために公園を囲うように設置した柵で入りづらい雰囲気になっている」と話す。「健康増進法改定に伴う喫煙場所の減少、コロナ禍による施設の喫煙室の閉鎖や人数制限で、祢宜公園での喫煙・ポイ捨てごみの増加が大きな問題になっている」とも。

 近年、名駅南エリアには新しくマンションが増え子どもの数も増加傾向にあり、改めて子どもが遊べる公園の役割が求められることを受け、同協議会は2020年度から2021年度にかけて同公園を考えるワークショップを開き、公園の将来像作成とそれに向けたアクションプランの検討を行った。

 アクションプランを実行する本年度の社会実験。ポイ捨てを減らし公園をきれいに保ち、喫煙者以外の利用者を増やし、子どもたちのほか地域住民や近隣で働く人、来街者まで誰でも気軽に利用できる憩いの場所になることを目指し、さまざまな取り組みを行い検証する。

 第1弾として部分的に人工芝を設置。これにより分煙促進や人工芝上へのポイ捨てを減らすことができないか検証する。初日の様子を見た目黒さんは「人工芝エリア内の既存のスツールに座って喫煙する姿は見かけたが人工芝の上に立ってたばこを吸う人がいなかった」と話す。来年2月ごろに人工芝エリアを拡張し、さらに分煙を図り喫煙者以外の人が利用しやすい環境づくりを考えている。

 「喫煙スペースなど、近隣の企業や施設が喫煙者の受け皿を考えて作る必要がある。公園の敷地内には貯水槽が埋まっているので近隣住民の生命のためにも公演を大切にしたい。赤ちゃんを連れた散歩や、子どもが集まれる場としての公園を守りたい」と目黒さん。

 喫煙者以外の利用を創出する目的で、子どもたちや地域住民が参加するワークショップや、周辺オフィスワーカーがランチタイムに利用できる企画を来年2、3月ころの実施に向け検討している。

 社会実験は来年3月31日までの予定(延長の可能性もある)。

名駅経済新聞VOTE

名古屋城と言えば?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース