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名古屋のホテルの駐車場を緑化-電気自動車充電器、ソーラーパネルも設置

芝生が覆われた駐車スペースで開催したセレモニーの様子

芝生が覆われた駐車スペースで開催したセレモニーの様子

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 ウェスティンナゴヤキャッスル(名古屋市西区樋の口町3)の駐車場で6月12日、路面駐車場を緑化する実証実験が始まった。名古屋工業大学の伊藤孝紀研究室とナゴヤキャッスルが協同して実施するもの。

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 実験は「環境・景観への配慮」「地域防災の拠点」「環境学習の場」の3つの軸をコンセプトに「新しいエコ・パーキングを創出する」(伊藤准教授)ことをテーマとする。実験で利用した駐車場の敷地面積は1,441平方メートルで、全48台のうち40台分の駐車スペースを芝生で覆うほか、草木や花で緑化した壁の利用し緑化。体感温度、利用者の評価、環境への影響などを調査・実験する。

 駐車場には100Vと200Vのコンセントを完備した電気自動車用の充電器を設置し、ホテル利用客や一般客に開放する予定で、利用時の状況や問題点なども調査。そのほかソーラーパネルも設置し、夜間照明の電力と災害時の非常用電力として活用する。

 自社で環境に配慮した取り組みを展開しているウェスティンナゴヤキャッスル。「緑化や環境学習の場の提供も重要なこととして位置付けていた」とし、「今年はCOP10の開催もあり、環境を考える年でもあることから、環境に配慮した新しい場を地域に提供できないかと検討した結果、この実証実験を実施することになった」(同)という。

 当日は、伊藤准教授や大森邦彦ナゴヤキャッスル社長が参加しセレモニーを開催。地域の子ども30人が参加し、名古屋市の地域性苗木「シャシャンボ」を記念植樹した。その後、名古屋市立大学大学院准教授でCOP10支援実行委員会アドバイザーの香坂玲さんと伊藤准教授がトークセッションを行い、「駐車場としての役割だけではなく、環境学習やフリーマーケットなどさまざまなイベントにも活用できる場にしていくと、市民と自動車、環境が共存できる街になるのでは」などのアイデアが紹介した。

 セレモニー後に実施したアンケート調査で、参加者からは、「実際に現場に立ってみたら体感温度、気分の良さが違ったのでもっと増えてほしい」「見ていて気分がよくなる」「すごく暑い中だったが涼しげな気持ちになった」などの意見が寄せられたという。「今回の敷地では、駐車場緑化だけでなく、環境学習の場を作るほか、電気自動車充電器を設置しているので、路面駐車場でも「自動車と環境が共存できるまちづくり」に寄与できる資源だととらえ、意義を感じ取ってもらえれば」と伊藤准教授は期待を寄せる。

 実証実験は今後、継続的に行う予定。

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