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名古屋で映画「パーフェクト・レボリューション」舞台あいさつ リリー・フランキーさんら来名

(左から)熊篠慶彦さん、リリー・フランキーさん、松本准平監督

(左から)熊篠慶彦さん、リリー・フランキーさん、松本准平監督

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 名駅の映画館「ミッドランドスクエアシネマ2」(名古屋市中村区名駅4)で10月8日、公開中の映画「パーフェクト・レボリューション」の舞台あいさつが行われ、主演のリリー・フランキーさん、企画・原案の熊篠慶彦さん、松本准平監督が登壇した。

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 同映画は、身体障害(がい)者のセクシャリティーに関する支援・啓発・情報発信などを行うNPO法人ノアール理事長の熊篠さんをモデルに描いたラブストーリー。車椅子生活を送りながら障害者の性に対する誤解を解く活動を行うクマと、人格障害を抱えた風俗嬢ミツの恋愛模様をユーモラスに描く。主人公クマをリリーさん、ミツを愛知県出身の清野菜名さんが演じる。出演はほかに小池栄子さん、岡山天音さん、余貴美子さんら。

 満員の客席からの拍手の中、3人が登壇。リリーさんは「公開から1週間になるが東京の劇場はがらがらで、もうすぐ打ち切りになりそう。こんなに人が入って、ありがたい。清野さんもすごく来たがっていたが、どうしてもバイトのシフトが動かせないのでだめだった。男3人で申し訳ない」と会場を笑わせた。

 10年近くの交友関係があるというリリーさんと熊篠さん。リリーさんは「最初はエッチなイベントで紹介され、それから熊篠さんの企画に参加したりするようになった。この映画はほぼ熊篠さんの実話を構成して作られた。車椅子に乗っているだけで、この人は恋愛感情や性欲は無いのだろうと勝手に健常者が誤解する。皆が気づかない当たり前のことを訴えている」と話した。

 熊篠さんは「形態模写だけなら難しくはないかもしれないが、車椅子の操作をしながら演技をするのは大変だと思う。リリーさんの演技は、せりふも表情もすごかった」と絶賛。リリーさんは「でも彼は、本当は山崎賢人さんにやってほしかったと言っていた」と笑った。

 約5年前から熊篠さんと共に企画を進めてきた松本監督。「今も生きている人をドキュメントではなく映画化するのは、あまりないこと。僕自身、障害についてほとんど関わったことがなかったので、どう映像化すればいいのか悩んだ。最初のころは、週1回くらい会ってずっと2人で話し合っていた」と振り返った。リリーさんは「こういう題材でバカな映画は珍しい。映画を一言で紹介すると、障害を持っている主人公の恋愛と性の話。重たそうだが、見てくれれば変な映画だとすぐ分かる。今回の映画で取材などを受けることで、熊篠さんが訴えてきたことや障害者の方々が考えていたこと、小さなイベントで頑張ってもなかなか遠くまで届かなかったことを、伝えることができた」と話した。

 ヒロインを演じた清野さんについて松本監督は「ミツはいろいろな過去を背負っているが、真っ直ぐにいろいろなものを突き破りながら進んでほしかった。清野さんのポスターを駅で見て、屈託がない笑顔の魅力にほれこんだ。彼女にミツを演じてほしいと思い、すぐに手紙を書いた」と話した。リリーさんも「僕は車椅子に乗って演じているが、彼女は画面を大きく使って躍動感あふれる演技をしてくれた。みずみずしさがあって素晴らしかった」と絶賛した。

 映画のポスターを日常から車椅子の後ろに張っているという熊篠さん。撮影で実際に使った車椅子のさまざまな機能を紹介すると、観客は感心の声を上げた。

 最後に3人は「テーマは重いが、ピュアなラブストーリーのエンターテインメントになっている。クマとミツを大好きになってもらえるとうれしい」(松本監督)、「連休の中、この映画を見にきていただき、本当にありがたい。多くの方に映画を見ていただけたら」(熊篠さん)、「主人公が障害を持っている人を代表して何かを言っているような映画ではない。深刻なものは深刻に取り扱わなければいけない日本で、ポップでばかばかしい映画になったことは良かった。楽しんでほしい」(リリーさん)と呼び掛けた。

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