名古屋市立大学に通う女子大生が11月14日、円頓寺エリアにカフェ「Alku Cafe(アルクカフェ)」(名古屋市西区那古野1、TEL 052-563-2207)をオープンした。
運営するのは経済学部3年生の店長・中﨑彩さんと同副店長の平野佑果さん。「経営者になりたい」と将来の夢を語る中﨑さん。出店のきっかけは昨年、インターンシップの企業開拓で知り合った会社経営者が中﨑さんの思いを知ったことから。「経営者を目指すなら今のうちから経験した方がいい。一緒に何かできれば」と後押しされ、「人生一回きり。こんなチャンスない」とカフェ開業を決めた。
パートナーは「根性があって、本気で一緒にやってくれる友人」の平野さん。「自分の店を持つこと」が夢の平野さん。話を持ちかけられたとき「今やらなかったら、いつやるんだろう」と中﨑さんと一緒に出店することを決心したと笑顔をみせる。
店名の「Alku(アルク)」は「出会い・はじまり・原点」を意味するフィンランド語。「いろいろな人との出会いがあって今がある」と2人。「このカフェも人が集まり出会いがあふれ、ここから何かが始まるような場所になれば」と思いを込める。「秘密基地のようにドキドキ・ワクワクしながら、こっそりと何か企めるような場所になれば」とも。
円頓寺かいわいの開発を目標に空き店舗対策を行うチーム「ナゴノダナバンク」の市原さんの紹介で築80年の町家を改築した同店。ノスタルジックな雰囲気を醸し出す2階作りの店舗の1階には、カウンター席4席、テーブル席16を設け、2階は「出会いを増やす場」として貸しスペースにする予定だという。
主なメニューは、コーヒー、紅茶(以上380円)、チャイ(450円)、キャラメルバナナミルク(450円)、ガトーショコラ(480円)、シフォンケーキ(450円)など。昼はランチ営業を行い、夜は食事メニューやアルコールも提供する。
オープン初日は、新聞で紹介されたこともあり予想以上の来店があった。しかし、客の入りに反して2人はその日、涙したという。「自分たちの考えの甘さとサービスが行き届かなかったことが悔しかった」と振り返る。「出店を決めたとき心配する声もたくさんいただいたが、その言葉の本当の意味を理解した瞬間だった」とも。
徹夜で行った反省会。仕込みなど改善できるところはすべて見直し2日目に挑んだ。「反省が生かされて、2日目は何とか乗り切れた」と中﨑さん。「効率の悪いところなどまだまだ改善すべき点はたくさんあるが、先が少し見えてきたような気がする。何年も続けることはとても難しいとことだと思うが、自分たちの力で継続していける店に育てていきたい」と目を輝かせる。
夢の第一歩を踏み出した中﨑さんと平野さんは、来年休学し店に専念する予定だ。
営業時間は11時~16時、18時~21時(金曜は11時~18時)。水曜定休。