「ALBUM EXPO NAGOYA ~アルバムは、未来への最高のプレゼント~」が12月3日、ジェイアール名古屋タカシマヤ(名古屋市中村区名駅1)5階のローズパティオで始まった。
雑誌「Re:S(りす)」などを手掛ける編集者の藤本智士さんが企画し、写真家の浅田政志さんが写真を撮影した同イベント。昨年、大阪で初めて開催し、名古屋での開催は今回が初めて。
1年の締めくくりの12月の「いつか」の日にアルバムを作ろうという藤本さんの考えから、12月5日(いつか)を「アルバムの日」として日本記念日協会公認で2009年に制定した。「デジタルカメラが普及したことで写真を撮ることが手軽になり、身近な存在になっている今、データだけで満足し、データがあるだけで安心ている人が多いと思う」と浅田さん。「でもデータは水にぬれてしまったら消えてしまう恐れもある」とし、「写真をプリントしセレクトしてまとめたアルバムは、将来子どもや孫に、残し伝える宝物だと思う」
震災直前に手掛けたプロジェクトで、「青森県八戸市が東北で唯一縁のある街になった」と浅田さん。震災後、「何か手伝えることはないか」と声を掛けたが八戸市は復興が早かったため、八戸に住む友人と車で1時間くらい走ったところにある野田村に行くことになった。「被災地と言っても範囲が広すぎるので一つの町に集中し、現地の方とも交流できるようにしたかった」。野田村は人口も少なく小さな村で、市街地の浸水率が9割もありでひどい状況だった。そこで、写真を洗浄する活動をしている人に出会いボランティア活動をすることに。その時、同じように、写真をきれいに戻す活動が被災地の各地で行われていて、その方法や写真の量もさまざまであることを知ったという。
同展では、7月4日~7日までの4日間、岩手県、宮城県を藤本さんと車で回った記録を、写真と印象的な言葉を「アルバムのチカラ」と題し展示している。「藤本さんが以前に取材したところなどを頼りに、時間の許す限り現地を訪ねた」
写真を洗浄する活動をしている場所や人と、被災地の魅力ある風景なども併せて紹介。体育館や学校全体を使い並べた大量の写真、ロープの間に短く切ったストローを挟み、干すときに写真同士がくっつかないようにした主婦たちのアイデア、手渡したチェキでアルバムを作った少女、写真を探しにきている写真スタジオのオーナーなど、たくさんの「現地の声や出会い」を展示する。今月25日まで。