400年前から続く名古屋の祭「東照宮祭」で使われていた「おはやし」が50年ぶりに復活し、そのプロセスを収めたドキュメンタリー映画「七間町橋弁慶車 おはやしの復活」の上映が3月3日から、各所で始まる。

　製作したのは、名古屋・東海地区の文化、芸術、歴史を映画にして保存していくことでの地域貢献に取り組む映画集団「名古屋活動写真」。円頓寺を拠点にする森零監督を中心に、プロの映像クリエーター、カメラマン、講師などが活動している。

　同作品は、2010年に「名古屋活動写真」が発表した名古屋の山車にスポットを当てたドキュメンタリー映画「開府四〇〇年 名古屋の山車祭り」がきっかけ。この活動を新聞で知った間下浩之さんが森監督を訪ねたことに始まる。戦争や時代の流れなどで自然消滅し、記録もなくこれまで忘れられていた山車を引く時に奏でられていた「おはやし」だが、間下さんは、その経験者で記憶している人物だった。

　森監督は、映画製作におけるアドバイザーでもある祭のプロ集団「二番永田組」と協力し、その「おはやし」復活のために動き出した。間下さんが覚えていた「おはやし」の歌を基に音を再現していった。

　「記憶や口伝えで守り続けてきた名古屋の宝物をこうして、またつなぎ、残していけたことが本当に良かった。映画で、このように伝統芸能を継承していくことの大切さ、素晴らしさを伝えられたら」と森監督。

　上映は、3日＝西区役所講堂、10日＝東区役所講堂、18日＝「妙真寺 i-cafe」、24日＝中生涯学習センター。上映時間などはホームページで確認できる。