名古屋駅前の「大名古屋ビルヂング」（名古屋市中村区名駅3）1階で現在、「閉館記念写真展」が開催されている。

143点を展示する会場の様子

　1962（昭和37）年完成の同ビルは今月で閉館し、新ビルへの建て替えが進む。同展では、ビルの50年の歴史のほか、路面電車が走る1902（明治35）年の名古屋駅（現在は笹島町）の写真をはじめ、移り行く名古屋駅の風景を全143点の写真で振り返る。

　通りのカーブに沿って、特徴的な横長の形の同ビル。建設中の写真から、最初に真ん中部分、続いて左側、右側と3期にわたった工事で造られたことが分かり、工事中の様子も丁寧に映像で記録され、当時のビッグプロジェクトであったことが見て取れる。オープニングセレモニーの写真には、カゴメソース、キクチメガネ、ビアガーデンマイアミなどのアドバルーンが揚がり当時のにぎわいがうかがえる。

　1階エレベーターホールに大きく描かれている、大理石モザイク壁画の第一人者・矢橋六郎さん作のモザイク壁画「海」の説明や、屋上の球体広告塔の解体、七色のライトアップ、名古屋まつり、高校野球のパレード、中日ドラゴンズ優勝パレードなど、名古屋の記録を収めた写真の背景に映り込む同ビルの写真なども展示する。会場の一角には、ビルに上っているような写真が撮影できるトリックアートも設置する。

　また、ビル外面のウインドーでは、「名駅の幼馴染、早く戻ってきてね。（名古屋テレビ塔）」、「一回ぐらい来とけばよかった。（ドアラ）」、「おむすびの私たちが言うのも何ですが、お疲れ様でした。（天むす）」など、名古屋に縁のあるシンボルや人物が、同ビルへのメッセージを記したポスターも展示している。

　開催時間は11時～19時。入場無料。今月23日まで。