トヨタ産業技術記念館(名古屋市西区則武新町4)図書室で現在、利用者が本に「ひとこと」を添え投票するランキング形式の書評企画「本にひとこと!」を月ごとに展開している。
自動車、繊維機械、科学技術、飛行機、ファッション、布、染色、中には歯車、接着といった特殊なテーマなど、「ものづくり」に観点を置いた書籍、約7万冊を所有する同室。本棚には、ビジュアルが見えるよう表紙や中のページを広げるほか、ポップを取り付けるなど、手に取りやすいよう工夫し設置している。
「本に親しんでもらえるように」と、2014年1月から始めた本を使った催し「図書ひろば」を開催。4月から「本にひとこと!」を毎月第2土曜日に始め、今年の1月からテーマを設定した常時開催へと変更した。同室では、テーマに沿った本10冊程度をエントリーし特設コーナーに設置。「ひとこと」を書き込める投票用紙で利用者が投票できる。末日締めで開票し、翌月頭に寄せられた「ひとこと」の紹介と併せ、上位3位をホームページで発表する。「『面白かった』『よくわかった』などでも良いので、『ひとこと』コメントを添えて、足跡を残してほしい」と、学芸企画グループの坂井さん。
2月のテーマは「ロボット」で、世界のロボットを集めた図鑑やロボットの仕組みを記したもの、「町工場の底力」、「ロボットは人間になれるか」など12冊をエントリー。「トヨタ産業技術記念館内の展示を見て学んで、『もっと深く知りたい』と興味を持ってもらい図書室に足を運んでいただければ」と呼び掛ける。
インターネットの普及により情報収集が手軽になり、書店や図書館利用の低下が叫ばれている現況については、「貴重な書籍はデジタルアーカイブにすることもある。ネットで見る情報だと必要なことだけに限定した情報しかとれない。図書室は来るだけでも、普段は手にすることのない大型の書籍があったり、気づかなかったテーマに出会ったり…。『こんな本があるんだ』と知ってもらうことができると思う」とも。
開室時間は9時30分~17時。月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始休館。図書室は入場無料(「自動車館」「繊維機械館」などの施設は別途要入場料)。