中京テレビ放送(名古屋市昭和区高峯町)は4月23日、名古屋マリオットアソシアホテル(中村区名駅1)で同社の今期経営方針、事業展開についての記者会見を行った。
同社は昨年、自社制作ドキュメンタリー番組「消える産声」が日本民間放送連盟賞をはじめとする多くの賞を受賞するなど、番組制作力を高く評価されたが、経常利益は過去3年横ばいの状態が続いている。2011年のアナログ放送終了に伴う地上デジタル放送の本格開始を前に、テレビ局各局は設備投資を強いられており、インターネットの普及などによるテレビ番組の視聴率低迷をはじめとする問題に対応するため、今後番組放送以外の「放送外収入」に期待を寄せている。
同社の徳光彰二社長は、会見で「今期は『変える』をキーワードに、地元色の強い番組制作をより強化し、デジタル化に伴う通信との連携や、各メディアを取り巻く環境変化に素早く対応していきたい」と話し、今後ニュース番組放送枠拡大の継続や地元企業の1社提供番組の強化、今年で30回目を迎える「24時間テレビ」や放送開始から10年目を迎える「トヨタ・エコスペシャル」など、福祉・環境に関する番組制作も、社会貢献事業として注力していくという。
一方、フジテレビ系列の関西テレビが起こした「発掘!あるある大辞典」捏造問題についての記者からの質問に対し、徳光社長は「企業の社会的責任は重い。放送内容に関してのチェック機能・体制・マニュアル化の徹底に努めていきたい」と語った。
同社は、今年3月21日にオープンしたアンテナショップ「Chu !SHOP」(中村区名駅1、名鉄百貨店ヤング館横)での番組関連グッズやDVD販売の強化、番組ホームページやオンラインショッピングサイトのコンテンツ充実を図るとともに、過去1,770万人以上を動員した「ディズニー・オン・アイス」などのイベントにも積極的に取り組み、放送外収入の拡大と更なる視聴者獲得を目指すという。