名古屋駅西の老舗ホテル「つちやホテル」(名古屋市中村区則武2、TEL 052-451-0028)は4月20日、同館名物の「陣中(じんちゅう)焼き」に使っている秘伝の「みそ」の販売を始めた。
「陣中焼き」は、1575年に織田信長が長篠の合戦で武田軍を敗った時代のエピソードに基づく。織田軍は、陣中で鶏やあり合わせの野菜を瓦の上でみそと一緒に焼いて食べていたという。食事や塩分補給のために「みそ玉」を持ち歩いていたとも。その故事にのっとり、陶板で鶏肉や豚肉、野菜などを、バターと同ホテルオリジナルのみそで焼く「陣中焼き」を考案し、名物料理として約20年間にわたって提供し続けてきた。
「召し上がったお客様からは、土産に買って帰りたい、分けてほしいなど要望がある。おみそを最後まできれいに取りご飯に付けて召し上がるお客様も」と同ホテル三代目の土屋造さん。「知人である八丁みそメーカーの方からもまねしたいと言ってもらえるほど」。そこで、「ぜひお分けしたいと」(土屋さん)、「陣中焼きみそ」の販売を決めた。価格は300グラムで800円(一人前100グラム目安)。
合わせみそをベースに8種類の隠し味が入っているという「陣中焼きみそ」は甘辛い味で、焼けると香ばしいかおりが漂う。自宅ではフライパンやホットプレートを使い「陣中焼き」を楽しんでもらうほか、「少し薄めてサラダのドレッシングにするなど使い方はさまざま。もちろんご飯に付けてもおいしい」(同)とも。
現在は同館内フロントの売店のみで販売しているが、要望があれば発送も行う。今後、同ホテルホームページを利用しネット販売も予定。