レンタサイクル社会実験「名チャリ」終了-会員登録者は3万人超に

クロージングセレモニーに参加したプロジェクトメンバー、山田副市長、はち丸くんら

クロージングセレモニーに参加したプロジェクトメンバー、山田副市長、はち丸くんら

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 放置自転車を再生・利用した名古屋のコミュニティーサイクルシステムの社会実験「名チャリプロジェクト」が12月18日に終了し、モード学園スパイラルタワーズ(名古屋市中村区名駅4)前のステーションでクロージングセレモニーが行われた。

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 「名チャリ」は、名駅エリア、栄エリアに貸し出し・返却を行う30カ所の「ステーション」を設け、会員登録者に自転車(300台)の貸し出しを無料で行うもの。10月20日から60日間実施された。

 セレモニーは、2万3,418回(貸し出し・返却)と最も利用数の多かったステーション「モード学園スパイラルタワーズ前」で開催し、「名チャリ」にちなんだ数々の数字が発表された。会員登録者は3万731人。これは、名古屋在住者の中の100人に1人が会員になっていることになるという。開始当初、60日間で5千人の登録数を見込んでいたが、1週間で達成してしまい会員証がなくなってしまうアクシデントもあったというが、その後終了時まで確実に登録数を増やして行った。

 総貸し出し数は9万6,891回で、1台の「名チャリ」が1日で約5回利用されたことになる。短時間利用を推奨していたものだが、「実験が始まった当初は1人が長時間利用してしまうことが多かったが、だんだんと短時間利用を心がけてくれるようになってたくさんの人が利用でき、目指していた『共有利用』を実現できたのではと思う」(プロジェクトチームのメンバーで名古屋大学大学院環境学研究科の八木さん)。

 平均利用時間は32.5分。中には貸し出し時間が、2万8,715分(19日間22時間35分)にもなる利用もあったという。総走行距離(ステーション間の直線距離で計算)は2万9,067キロで、名古屋とニューヨーク間の往復距離に相当する。一方、セレモニー開催時点で44台の「名チャリ」が返却されず行方不明だという記録も。

 セレモニーに参加した山田副市長は「名チャリは、自転車の利用状況、拡大としだけではなく、今後の交通政策としても重要。都市の中の毛細血管のようなものだと思う。こうした取り組みで、公共交通機関と徒歩で楽しい都心づくりができれば」とコメントした。

 当日、プロジェクトに参加した学生メンバーが利用者に対し、「名チャリがこれからも街にあればいいと思うか」とヒアリングを行い、79人中77人が「イエス」と応える結果になり、名古屋の街での「名チャリ」の浸透性がうかがえた。

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