ノリタケの森ギャラリー(則武新町3、TEL 052-561-7290)は6月13日より、「―夏衣― 名古屋友禅伝統工芸士 片岡勝利 手描友禅の世界」を開催する。同展は、財団法人伝統的工芸品産業振興協会(東京都)が実施する制度「伝統工芸士」手描部門の資格を持つ、紺屋片岡(花の木2)の片岡勝利さん製作による伝統工芸品「名古屋友禅」を展示・販売するもので、今回が初の個展となる。名古屋友禅は、「手描友禅」と「型友禅」の2種類があり、「手描友禅」は、尾張徳川家七代藩主徳川宗春の時代(1730年~1739年)に京都や江戸の友禅師によって伝えられ、尾張の質素倹約の風土に合わせて模様の色数を控えた「単彩濃淡」調の作風が特徴。特に、留袖などに使用されている名古屋で考案された技法「トロ引黒染」が有名。完成までの行程は約20工程で、1作品の完成には約1カ月を要するという。出展するのは全て手描友禅の作品で、麻を使用した「越後上布手描友禅」2点、「小千谷縮」1点をはじめ、絹を100%使用した「トロ引黒染」の作品や帯など全部で約10点。絵柄は、季節を考え朝顔やあじさいをモチーフにしたものや、特殊な技法を用いてムラ染め感を出した伝統的な作品のほか、星座をモチーフにラインストーンを使用した現代的な作品なども出展する予定。片岡さんは、伝統工芸士として50年のベテランで「同じ色や絵柄でも、作るたびに違うものができあがるのが楽しい。年代を問わず、着物が大好きな人に着てほしい。名古屋友禅を知らない若い人達にも、同展で伝統工芸の良さを伝えていきたい」と話していて、今後は、着物の素材を使用した同柄のバッグや、手描友禅の洋服などの製作も検討しているという。価格は、越後上布手描友禅=120万円、絹振り袖=270万円、麻帯=17万円など。営業時間は10時~18時で、最終日は16時まで。入場無料。6月18日まで。(写真=「越後上布手描友禅」)