名古屋クラウンホテル(名古屋市中区栄1)で11月23日、「勤労感謝の日。これからの『働く』について考えよう。『名古屋レイブル100人会議』」が開催された。主催は大ナゴヤ大学。
昨年、大阪府が府のニート・ひきこもり支援、就労支援の施策の一つとして統合して取り組み始めた活動の一環で行われた同企画。今年初めて東京、名古屋でも同日開催した。「怠け者」というイメージが先行する「ニート」だが、その中には働く意志を持ち活動をしている人も多くいる。不景気、少子高齢化、ノマドワーカー、社会起業家など働き方も多様化。「レイブル」は「遅咲き」を意味する「レイトブルーマー」の略語で、昨年「大阪ニート100人会議」が提唱したもの。
会場には、畳敷きの会場に20~30代の若者を中心に学生や年配者、就職活動中の人、転職したばかりの人など約100人が集まった。冒頭、芸人の浅越ゴエさんとヤナギブソンさんが登場。今の芸人という仕事について、「芸人になる夢が破れ不動産業に就職したが縁あって戻った。大変なことだらけだったが、たくさんの出会い、経験ができている」(浅越ゴエさん)、「『お笑い』以外の仕事に就くのが考えられない。好きなことが仕事にできて感謝している」(ヤナギブソンさん)と、それぞれコメント。「仲間が大切。それにより人生豊かに前向きになれる。今日出会った皆さんで仲間になれたら」とエールを送った。
参加者は4~5人のグループに分かれ、テーマに沿って話し合いを行った。「人の話を否定せず、さまざまな気持ちやアイデアをきっかけに自身の考えの幅を広げる場」として時間を設けた。テーマ「レイブル世代が直面している課題とは?」では、「本心が言えない」「レイブル世代を年齢で決めつけないで」「声を上げないと置いてけぼり」など。「レイブル世代を生みだす社会とは?」には、「一度レールから離れると復活しづらい社会」「不安定」「レイブルをわからない人たちが政治を動かしているから、どんどん除外されるのでは」「選択が自由だからこそしないという選択が食わず嫌いを作るのでは?」「やりたいことを見つけたときに受け皿がない。どう作るか」などの意見が挙げられた。テーブルで話し合われた内容は設置された模造紙に参加者が書き込み、参加者同士がいろいろな意見を見る時間も設けた。
「つながりが必要」と強く感じた一つのグループから、「『つながります!』というフェイスブックページを立ち上げる」という行動も起こった。大ナゴヤ大学の加藤幹泰さんは「アンケートでも自由に話せる場と聞いてもらえる環境が必要なことが読み取れた。大ナゴヤ大学に限らず、こうした場づくりを考えていきたい。これまでは『働いてお金がもらえればいい』など仕事に対して受け身だったところから、やりがい、存在、人間関係など働く価値も多様化していくと思う」と話す。