ノリタケの森(名古屋市西区則武新町3)のクラフトセンター内ノリタケミュージアム3階で現在、企画展「これもノリタケ?」が開催されている。
愛知県の洋食器メーカーとして知られる「ノリタケ」は、陶磁器製品や食器のほかにもさまざまなものを生産してきた。同展では、現在では目にする機会が少なくなった陶磁器製品や陶磁器以外の素材でつくられたノリタケ製品など約100点を展示している。
1916(大正5)~1922(大正11)年に敗戦国ドイツに代わってアメリカへの輸出用に製造していた「ビスクドール(陶磁器製人形)」や、戦時下に金属統制のため不足していた金属の代用品として磁器で作られた「電灯笠(がさ)」を展示。職人による手描きや転写で画付けが施されている「電灯笠」は、磁器の光を通す性質を生かして、明かりをつけると内絵がぼんやりと浮かぶような工夫がされている。ほかにも「瓦斯七輪(がすしちりん)」や、外装を磁器で作った「電話機」、火鉢などを見ることができる。
1960~80年代には、販路拡大のために耐熱磁器やホーロー、メラミン樹脂、クリスタルなどのさまざまな素材の製品を製造。洋食器に付随するキッチン用品や、テーブルを彩る雑貨も手掛けた。今回の展示では、オーブン料理用に開発された「オーブンチャイナ」や、冷蔵庫から取り出してすぐにじか火にかけても割れない耐熱強化磁器「プログレッションチャイナ」、ホーローの鍋、灰皿などを展示している。
同展について、担当の中井さんは「珍しいノリタケ製品ばかりを集め、1年間展示します。ぜひお越しください」と来場を呼び掛ける。
開催時間は10時~17時。入館料は、大人500円、高校生300円、65歳以上・中学生以下は無料。9月7日まで。