国内外4大学の学生らが6月12日~21日の10日間、名古屋市内に滞在し、「名古屋おもてなし武将隊」を通じインバウンド観光のビジネスプランを探る研究発表会を行なった。
昨年度、アメリカ・ウィッテンバーグ大学、香港科技大学の教授らが名古屋城を訪れて「名古屋おもてなし武将隊」と、武将隊を手掛ける三晃社(名古屋市中区)の視察に訪れ、展開しているビジネスに興味を持ったことがきっかけ。
毎年恒例となっている地元企業とのコラボ研究の対象を「名古屋のインバウンド観光と武将隊」にしたいとの依頼があり、今開催に至った。参加大学は、ウィッテンバーグ大学(4人)、香港科技大学(12人)、ロンドンサウスバンク大学(5人)、関西外国語大学(12人)。
15日には、名古屋城を散策後、武将隊の演武を見学。「今回の行程の中で一番歴史的なものに触れられる機会だった。名古屋城と武将隊は、観光客の心をわしづかみにする。サムライ文化にすっかり魅せられた」(香港科技大学学生)。
「日本語がわからなかったので、英語も一部入っていたら、より楽しめるかも。名古屋は、歴史あふれるすてきな街。日本的な体験がたくさんできるので、絶対名古屋に立ち寄るべきですね!」(ウィッテンバーグ大学学生)。
「武将隊のパフォーマンスは、昔にタイムスリップしたかのようだった。日本語だけでなく多言語の環境で体験できると、なおいいと思った」(ロンドンサウスバンク大学学生)などの感想が学生たちから寄せられた。
16日には武将隊の「徳川家康」も参加し、三晃社本社で名古屋おもてなし武将隊を作った背景や成り立ちなどについて、説明やディスカッションが行われた。
20日には、関西外国語大学に場所を移し研究発表会を行った。革新的なテクノロジーやビジネスモデルを使い、若い雇用者を増やすことと、名古屋の観光客を増やすためのビジネスプランを作成することを課題に、大学の垣根を越えてチームを作り話し合った。
まとめの発表会には「家康」も審査員として参加。「名古屋や日本の観光産業への経済効果」と「若者ニートへの社会的影響力」を踏まえ、それぞれ架空の企業として問題解決の方法やスケジュール、売り上げ・利益まで落とし込んでいくプランなどが提案された。
企画案のチャンピオンに選ばれたのは、「Social Hope Enterprise」と名付けられたプラン。名古屋圏にある古い家を買い取り、トレーニングを受けたニートやフリーターの若者の手によりリノベーション。彼らの手に職をつけつつ、通常よりリーズナブルな価格で物件を提供できるというもの。多角的な視点からビジネスチャンスを的確にとらえたことが評価された。