愛知県警(中区三の丸2)は8月29日から、中村区名駅1の笹島交差点西側南北横断歩道に赤信号の待ち時間と青信号の残り時間を表示する「経過時間表示装置一体型LED式歩行者用信号機」を試験設置している。
県警では、愛知県内11カ所に22基従来型の歩行者用信号機の横に信号の待ち時間などをデジタル数字で表示する「経過時間表示装置」を設置しており、経費削減やメンテナンス軽減のため両機の一体化を検討してきたが構造的に不可能な点が多かった。2003年頃から全国で発光ダイオード(LED)式歩行者用信号機の本格採用が可能となり、愛知県警が福岡のメーカーに開発を依頼、全国で初めて両機一体型歩行者信号機の試験設置が実現した。試験設置場所は、笹島交差点と中区錦3の栄交差点の2カ所4基。笹島交差点は幅広い世代の横断者が多いことや無理な横断、飛び出しををする人の数が多いことから、新型機の評価に最適な場所と判断したという。
同機は、赤信号の時は人型を上にデジタル数字を下に、青信号の時は人型を下にデジタル数字を上に表示し、デジタル数字は5秒単位で表示する。横断者が信号と残り時間などを、目線を変えずに確認できるため安全性が高く、横断事故の防止効果が期待できるという。また、現行の装置と比べ55%の経費削減が可能で、メンテナンスも簡素化される。見やすさを重視するため、残り時間を砂時計方式で表示する東京や北海道の機種と異なり、デジタル数字を採用したという。
現在のところ全国採用の予定はなく、同県警では来年3月頃までホームページから試験設置に関するアンケート調査を実施し、愛知県民と視覚障害者などの評価を総合して今後の方針を決定していく予定。
同県警本部交通管制課の担当者は、「待ち時間などを表示したことで無理な横断をする人が減ってきている。アンケートの結果も『見やすい』『わかりやすい』など、好意的な意見が多い。試験設置で横断事故防止に期待した効果が出てきているのでは」と話している。