東急ハンズ名古屋店(名古屋市中村区名駅1)10階で4月23日、鉱物や化石を集めた展示即売会「ミネラル ロマンス」が始まった。
今年で9回目となる同企画。同イベントを担当する塩野正鎮さんらが、米アリゾナ州で毎年開催される世界最大の原石・化石展「ツーソンミネラルショー」に出向き買い付けた商品を販売する。「昨年と同じくらいの買い付け量で買えるだけ買ってきた。円安で厳しかったが…」と塩野さん。価格帯は、「子どもさんでも買えるように」と数百円から高いもので数十万円まで。
毎年、初日の午前中から鉱物ファンが来店するのも恒例で、休みを取って来店する社会人や東京・大阪からの来店もある。今回は初めて土曜日が初日で親子連れやカップルなどの姿も多く見られた。今年は特にマニアが増えた実感があるという塩野さん。「詳しい方も増え、産地や内容についてリクエストがあるほど」。取材中も恒例の塩野さんを囲んでファンがやり取りするシーンが多く見られた。
自身のコレクションは一つもないという塩野さん。「標本市として開催している。『地球ってすごい』『自然って面白い』」と思ってもらえれば。鉱物を通じて、お客さんが『いいものを買えた』と喜んでもらい、話をしたりして楽しく交流してもらうのがうれしい」とも。
店頭にはさまざまな種類、産地、色の鉱物が並ぶ。目玉商品の一つだという、オールドストック(閉山した鉱山のコレクション)でモロッコ産の青色の蛍石は開店から1時間ほどで、この日並べた分はショーケースから無くなる人気ぶり。ライトや紫外線を当てると色が変化して見える。「初日にはいいものからショーケースに並べる。開店から来てくれるファンの方に失礼になるので」。商品は追加で陳列して行くため、毎日、目新しいラインアップになる。
虹色がきれいな「レインボーパイライト」、緑とピンク色が同居し結晶する「バイカラートルマリン」、水晶の中に針状結晶が内包している「マンナード鉱入り水晶」、白鉄鋼が赤鉄鉱に置換し星のように結晶する「エジプトの星」、通常60度のところ90度に交差して双晶することが珍しく十字架のような見た目の「十字石」、60度交差が二重になった「十字石3連双晶」など。「どれも一点もので産地や種類が同じでも決して同じ表情ではない」
営業時間は10時~20時。5月5日まで。