名古屋駅から一番近い場所に位置する寺院「称名寺(しょうみょうじ)」(名古屋市中村区名駅3)が現在、大みそかの「除夜の鐘つき」参加者を呼び掛けている。
刈谷市東堺で約700年前に建立され、明治時代に現在の地に移転したという同寺院。大名古屋ビルヂングの北側に位置し、寺から見上げるとJRセントラルタワーズやJRゲートタワーがそびえる。街なかに佇(たたず)む寺の風貌を、写真におさめる外国人観光客の姿も多いという。
鐘楼(しょうろう)門を含む同寺院敷地の一部は、「リニア中央新幹線」名古屋駅建設の対象土地になっているため、今ある鐘楼門の姿はいずれ見られなくなってしまうという。同対象エリアにあるビルなどの取り壊しも決まっており、跡地は公園や広場になる予定。
同寺院副住職の杉浦道雄さんは「鐘楼は残したいため、現在どんな形で残せるか話し合いを行っている。公園になったら公園と併せて憩いの場になれば」と話す。
「除夜の鐘つき」実施時間は23時30分から約1時間。参加者は当日、鐘楼門をくぐりの奥にある本堂に参拝した後、ハシゴで鐘つき階まで登り、順番に鐘つきを行う。毎年、家族連れ、周辺の飲食店で働く人々のほか、たまたま通りかかった人など約100人が参加するという。
「発展し続ける名駅で、みなさまと一緒に、仏さまへの感謝を鐘の音に響かせることができたら。ぜひ名駅にある『称名寺』の除夜の鐘にお越しいただければ」と呼び掛ける。