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JR名古屋駅構内の「デニッシュバー」でアプリ使ったフードロス削減の実証実験

アプリ「NoFoodLoss」に「デニッシュバー」の商品「ぱくぱくデニッシュ」の値引販売クーポンが表示された様子

アプリ「NoFoodLoss」に「デニッシュバー」の商品「ぱくぱくデニッシュ」の値引販売クーポンが表示された様子

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 JR名古屋駅構内の「デニッシュバー」で現在、フードシェアアプリを使ったフードロス削減の実証実験が行われている。

一番人気の注文後にクリームを詰める「シュークランチ」も割引対象

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 11月18日から実験的に導入。同店では、閉店1時間前に対象商品を3割引きで販売するクーポンをアプリ上で発行。アプリに割引商品情報や残数などが掲載される。利用者は店頭でアプリ上のQRコードのクーポンを提示すると割引金額で購入できる。実証実験では参加店舗とユーザーの使い勝手を検証するという。

 同アプリを利用した購入金額の一部が「TABLE FOR TWO」を通じ、海外の子どもたちの給食費として寄付される。

 活用するのは、みなとく(本社=東京都港区)が開発したアプリ「NoFoodLoss」。同実証実験を手掛ける東海旅客鉄道の事業推進本部の吉澤克哉さんがもともとフードロス問題に興味があり同アプリを知ったことに始まる。吉澤さんは「当社グループ会社の飲食店でも食品ロスが生まれると聞いていた。パン店でのアルバイト経験があり、その時もパンを廃棄していたことを思い出し、まずはパン店を展開するグループ会社のジェイアール東海フードサービスに提案した」と振り返る。

 提案を受けたフードサービス事業部カフェ・ベーカリー課の田内梨絵さんは「飲食店だと食品ロスは切っても切れない問題。特にベーカリーは毎日、商品廃棄が避けられず、パン業界全体の課題。閉店まで売るものを置いておかないと営業できない。ぜひ導入したいと提案を受けた」と話す。

 同店では、注文後にクリームを詰める「シュークランチ」(カスタード、チョコレート、各220円)、一口サイズの「ぱくぱくデニッシュ」(ソーセージ、チーズ、各8個入り、250円)、「デニッシュボール」(シュガー、チョコ&チョコ、各9個入り、290円)などを販売。全商品が割引対象になる。商品の賞味期限は当日中、1日後まで、2日後までと異なるが、販売は製造当日に限り、売れ残りは廃棄している。同店店長の植田有紀子さんは「日持ちする商品は、翌日の朝ごはんに購入していく方もいる」。

 統計を取ったところ、廃棄は1割削減できたという。

 「お客さまの協力あってこその取り組み。食べ物を捨てる行為はもちろん、自分が作ったものを捨てることがとても悲しい。値引きして少しでも多くの方に食べていただけるなら」と話す。「アプリ発行の操作も難しくない」とも。

 吉澤さんは「まだ名古屋駅地区では1店舗だけで、認知度も低く、ユーザーも少ない。これから仲間の参加店を増やしたい。まずは当社グループ会社内の飲食店のほか、近隣の商業施設に広げていきたい。ゆくゆく個人店にも広がっていき、名駅エリアで盛り上げていきたい」と期待を寄せる。

 実証実験の期間は2~3カ月の予定。

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