「名鉄名古屋駅」がメタバース上に出現する「バーチャル名鉄名古屋ステーション」の第2弾が1月17日、メタバースプラットフォーム「プラネタ」内特設ワールドに期間限定でオープンした。
デジタル技術・先進技術を活用した名古屋鉄道(名鉄)の取り組みによる企画。主に全国の鉄道ファンに向けメタバース活用の取り組みを検証する。VR機器を使って空間に入ると現実と同じスケールになるように作られているメタバース上で再現された「名鉄名古屋駅」でアバターを操作してコンテンツを体験できる。
2023年8月に提供した第1弾は14日間で累計来場者数約1万4000人、登録者数約4000人を記録。名鉄の同企画担当者の加地秀さんによると、体験者対象に行ったアンケート回答者のうち96%が次回の実施があったら利用したいと回答した。「満足度が高かった様子」と加地さん。
第2弾では既存コンテンツのアップデートのほか新規コンテンツを加えた。今回でさまざまな方面・種類・編成の電車が入線する同駅構内のほぼ全ての場所がメタバース空間で再現されたという。
入線する車両は名鉄電車「1200系」「3500系」に加え、新たに「2000系(ミュースカイ)」と、現在同社で運行する中で最も古い車両「6000系」を再現。電車の発着は実際のダイヤ通りだという。
新規コンテンツはアンケートなどで多かったという「駅係員体験がしたい」という意見を反映した「運賃精算マスターになろう!」と「鉄旅ナビゲーター」を用意。「運賃精算~」は名鉄の路線の知識や運賃計算方法の知識を要する内容で精算業務を選択式ゲームで体験できる。「鉄旅~」は西改札口で沿線施設や観光地に行きたい「利用者」からの質問に複数の選択肢から正しい回答を選んで対応するゲーム。共にノンプレーキャラクターの「利用客」が駅係員を訪ねてくる感覚を得られるようにした。
既存コンテンツの運転室(通称DJブース)に入り案内アナウンスが体験できる「DJブース案内体験」は種類・行き先・時間・編成などを時間内に正しく声に出してアナウンスして遊ぶもの。今回は下り線の「DJブース」を体験できる。「名鉄ライブラリ」は鉄道ファンから募集で集めた写真に展示内容を変更、駅構内の「光るもの」をタップすることで得られる名鉄にまつわる「小話」は全て新しいものに変更した。
加地さんは「まだ検証の域。事業化の可能性は考えられるが、今の名鉄名古屋駅ホームの様子を記録して残していくことや、鉄道ファンの皆さまと名鉄との関わりをつくることも目的」と話す。今月25日には「名鉄商店」でVR機器を使った一般向け体験会を開く。
Windowsのみ対応。利用にはアプリのインストールやアカウント登録が必要。VRゴーグルなしでも利用できる。利用無料。2月7日まで。