国内外の多彩なアニメ作品を上映する映画祭「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル(ANIAFF)」が12月12日、ミッドランドスクエア シネマ(名古屋市中村区名駅4)ほかで始まった。
ミッドランドスクエア シネマで行われたオープニングセレモニー
ANIAFFは、名古屋に世界のクリエーターが集い、語らい、刺激し合うクリエーションの場を作るアニメ映画祭で、今回が初開催。愛知、名古屋の持つ産業と文化のパワーを融合したグローバルな映画祭を目指す。
期間中、ミッドランドスクエア シネマ、109シネマズ名古屋(中村区平池町4)などを会場に、国際コンペティション部門、ニューウェーブ部門など6部門で約80本のアニメ作品を上映。アニメ作家、プロデューサーほか多彩なゲストを迎えてのトーク、ワークショップ、シンポジウムなどが行われる。
開幕初日の12日は、ミッドランドスクエア シネマでオープニングセレモニーが行われ、井上伸一郎フェスティバル・ディレクター、コンペティション部門審査員を務めるオーブリー・ミンツさん、塩田周三さんらが登壇した。
井上さんは「名古屋は昔からアニメファンが多い土地柄。アニメ雑誌の編集者としてキャリアをスタートしたが、名古屋地域はとてもよく売れていた。この名古屋の地で最先端のアニメ映画を見ることができる映画祭。十分に楽しんでほしい」と開会のあいさつ。コンペティション部門には29の国と地域から45作品が応募。期間中に審査を行い、17日にグランプリが発表される。
ゲストとして登壇した大村秀章愛知県知事は「愛知県で国際的な映画祭が開催され、世界中の皆さんとアニメーションの持つ多様な魅力や無限の可能性を分かち合えることをうれしく思う。この映画祭が、皆さんにとって忘れられない時間となり、愛知・名古屋から世界へアニメーション文化の魅力がさらに広がっていくことを、心から願っている」と映画祭への期待を語った。
特集上映部門のディレクター・フォーカスでは、細田守監督の作品を上映。13日には、109シネマズ名古屋で「サマーウォーズ」ほかを上映し、細田監督がトークショーを行った。
細田監督は、公開から16年を迎えた「サマーウォーズ」について「インターネットの世界は、今では自分たちの生活に身近になっているが、映画が公開された2009年当時はまだ良い面と悪い面が出てくることがない時代だった。牧歌的な世界というか、まだインターネットの世界に希望を持って描くことができた時代の、非常に大らかで明るい、すごく健全な作品だと思う」と振り返った。
イベントには主人公・健二の声優を務めた神木隆之介さんがサプライズで登場。細田監督と制作当時の思い出や印象的なシーンなどを語り合った。
神木さんは、作品が長く愛されていることに感謝を述べ、作中の健二のセリフ「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!」を生披露。客席から大きな拍手が送られた。
最後に細田監督は「神木くんのセリフを昨日のことのように思い出す。作っている最中はもう精一杯で、作品のこと以外は考えられなかった。こうして何年もたって、この作品のことを話すなんて思いもよらなかった。本当に幸運なことだし、映画の魅力、アニメーションの魅力なのだと思う。それを感じさせてくれた観客の皆さんにもお礼を言いたい」と話した。
各作品の上映スケジュール、料金はホームページで確認できる。17日まで。