ナゴヤキャッスル(名古屋市西区樋ノ口町1)は6月25日、同社が運営する名駅のホテル「キャッスルプラザ」(中村区名駅4)で同ホテル従業員を対象に「AED(自動体外式除細動器)」の使用方法などに関する講習会を開催した。
「AED(Automated External Defibrillator、自動体外式除細動器)とは、人が心停止状態に陥った際、心電図を解析し心臓に除細動(電気ショック)を与えて、正常な状態に戻す医療機器のこと。これまでは、医師など医療従事者や救急救命士のみに使用が許可されていたが、2004年7月からは一般市民でも使用可能となった。2005年に開催された愛知万博でも各所に設置され、AEDの使用により4人の命が救われている。現在は、2006年から東京都交通局が都営地下鉄の駅構内に「AED」を設置したのを皮切りに、新幹線内にも設置され、名古屋市内の駅やホテルでも導入が進んでいる。
同ホテルでは、2005年からフロントとフィットネスクラブ内に「AED」を設置しており、毎年従業員向けの講習会を実施している。講師は、ウェスティンナゴヤキャッスルのレストラン「クラウン」に勤務する鉄板焼き料理人、三島尚道さん。応急手当普及員の資格を持つ三島さんは、以前同ホテルでの披露宴中に料理をのどに詰まらせた客を、迅速な救命措置で対処し一命を取り止めた経験を持つ。
当日は、フロント、宴会場、フィットネス勤務などのホテルスタッフ7人が出席し、三島さんの指導のもと、実際に「AED」を使用した実習や、心肺蘇生法、異物除去方法や止血法などを学んだ。参加したスタッフらは「処置をしても呼吸が戻らない場合、どのぐらいの時間心肺蘇生を続けるのか」「意識が戻った後の処置はどうするのか」など、積極的に質問する様子も見られた。
同ホテルの担当者は「万が一の事態に備え、定期的に講習会を実施するなど従業員の教育を徹底し、顧客が安心して利用できるホテルを目指したい」と話しており、7月2日にはウェスティンナゴヤキャッスル(西区樋ノ口町1)でも、従業員を対象にした講習会の実施を予定しているという。