シヤチハタ(名古屋市西区天塚町4)は6月、製品ラベルの色を分析し個体を識別する新しいシステム「個体認証システム」を開発したと発表した。
同システムは、同一模様に見える印刷ラベルのデジタル撮影した画像をナノレベルで解析し、個別に出る色合いの差をデータベース化することで製品を識別するもの。
ブランド品・医薬品などの偽造品の発見・流通防止・生産履歴管理に役立つとともに、従来のICチップに比べ、コストも抑えられるという。
仕組みは、製品の出荷時にメーカーが製品ラベルを撮影し、画像の個体差を数値化してデータを「認証局サーバー」に保存後、製品を購入した消費者が製品ラベルを撮影しデータを同サーバーに送信すると保存データとの照合で本物かどうかを判別できるというもの。
同システムは、機械類の組み立てや修理のときに純正以外の部品使用を防ぐことにも役立つという。また、独立行政法人・情報通信研究機構(NICT)の2007年民間基盤技術研究促進制度で採択され研究の支援も受けている。
今後、提携してシステム運営を行う企業や設備メーカーを募り事業展開を図る見込み。市場規模は数千億円。