名鉄百貨店本店(名古屋市中村区名駅1)ヤング館前の巨大マネキン人形「ナナちゃん」が9月9日、「名古屋まつり」のPRを目的とした衣装に着替えた。
ナナちゃんは、身長6メートル10センチ、体重600キロで、1973年に同百貨店ヤング館(元セブン館)1周年を記念して入り口前に設置された巨大マネキン人形。期間ごとに衣装を替え広告塔として活躍、名駅のシンボルとしても親しまれている。生まれ故郷はスイス。
今回の衣装は、名古屋市が市立桜台高校(南区霞町21)に依頼し、同校ファッション文化科の28人が夏休み中の17日間をかけて製作した。同校は市内唯一の被服専門科を持つ学校だが、このような巨大衣装の製作は初。しかし生徒らはデザインから縫製まで、チームワーク良く楽しみながら取り組んだという。
デザインは、名古屋まつりのメーンイベント「郷土英傑行列」に登場する三英傑をイメージした陣羽織。赤と金色の派手な色合いをベースとしている。長さは約3メートル。首には大きな扇のえりを付け、頭には鎧兜(よろいかぶと)風のはちまきを巻き、背中には金シャチのアップリケを施した。約20メートルの布を使い、ほとんど手縫いで仕上げたという。陣羽織に書かれた黒色の文字は、同校の書道部の生徒が書いた文字をかたどった布を切って縫いつけたもの。
当日、陣羽織を着付けているときに、ナナちゃんの手の長さに比べると袖の長さが短いことが判明し、急きょ同じ緑色のストッキングを腕に巻きフォローするという、とっさのアイデアによる対応も。
同校の鈴木教諭は「ナナちゃんは人間サイズと比べるとはるかに大きいので、本当に大がかりな製作となった」と振り返る。陣羽織を着せ終わったナナちゃんを見て、「衣装を上手に着せていただいて、予想通りの仕上がりになった。とてもうれしい」(同)とも。
10月11日・12日に開催される「名古屋まつり」は、2010年の「名古屋開府400年」が間近であることから今までとは違ったアプローチをと、ナナちゃんと初めてコラボしPRすることになった。
名古屋まつり協進会の担当者は「名古屋まつりは若い世代の方よりもご年配の方に親しまれている祭りなので、今回の取り組みは、高校生にナナちゃんの衣装製作をしていただくことで10~20代の若い人に興味を持ってもらうことを狙いとしている」と話す。
陣羽織を着たナナちゃんを見て、岐阜在住の女性は「お祭りらしさが伝わる。派手で良い。上手に作っていますね。大きいのでビックリした」と話し、関西から名古屋に遊びに来たという女性観光客は「女子高生が作ったなんて、すごい!」と驚き、「今どきの女子高生はセンスがいい」と話す主婦もいた。
ほかに、ナナちゃんが衣装を替えるごとに写真を撮り自身のブログに載せているという男性は「今回は特にお金をかけているね。飾りつけがお洒落で豪華」と話していた。
展示は9月16日まで。また衣装製作の舞台裏を密着取材した様子が9月11日、中京テレビのニュース番組「リアルタイム」で放送されるという。