「フェラーリ」日本人デザイナーが山形の職人とコラボ-東急ハンズで特集

東急ハンズ名古屋店で開催中の「山形工房 特集」

東急ハンズ名古屋店で開催中の「山形工房 特集」

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 東急ハンズ名古屋店(名古屋市中村区名駅1)は9階フロアで、工業デザイナーの奥山清行(おくやまきよゆき)さんが描くデザイン画をもとに山形の職人が手がけた商品を特集している。

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 奥山さんは日本人で唯一「フェラーリ」のデザインを手がけた工業デザイナーで、2003年、日本の地場産業の職人らの技術力に着目し「山形カロッツェリア研究会」を設立。現在は奥山さんのコンセプト・デザインを山形の職人らが形にする「山形工房」というブランドを世に広めている。

 奥山さんが大切にするのは「アナログ」的なデザインで、手描きのデザイン画をもとに職人らが生み出す商品は「斬新な発想と伝統的な技が融合し、より希少価値の高いものになる」(同店企画担当者の大河内さん)という。

 同ブランド誕生の背景について、同店広報担当者の古澤さんは「世界には都市ごとの地場産業があり技術力の高い地方発の『モノづくり』に感銘を受けた奥山さんがその思いを具現化するため、奥山さんの出身地である山形の地場産業に自ら声をかけ、熟練した職人らとともに世界に通用する『モノづくり』に挑戦するようになった」と話す。

 「初めに世界をターゲットにした『モノづくり』をすることで海外での認知度を上げ、同じ商品を日本に逆輸入し地場産業を改めて知ってもらう狙いもある」(同)とも。

 売り場では、染色技術と奥山さんの大胆なデザインが特徴的なじゅうたん「MOMIJI」(36万円~)や、海外のカフェでお茶を出すイメージで作った急須「MAYU」(7,035円)などを販売。長さ170センチメの合板を複雑に折り曲げて作ったいす「ORIZURU」(102,900円)と、4本の無垢(むく)材を「らせん状」に曲げ組み合わせたライトスタンド付きコートハンガー「SPARAL」(278,250円)は、大河内さんの「おすすめ」だという。

 「ORIZURU」は、ロングセラーを多く生み出す家具メーカー「天童木工」(山形県天童市)が手がけたもので、1枚の合板から1脚のいすをつくるのに200回以上の試作が繰り返されたという。また100キログラムの荷重にも耐えられる強度の高い同品は、1日で8脚つくるのが限界という。

 「SPARAL」は、曲げ木の技術で高い評価を得ている「多田木工製作所」(山形県天童市)が手がけたもので、蒸した木材を縦方向に圧縮し、柔らかくした材料を太い心棒に巻きつけながら「らせん状」を作り出している。これは熟練した職人にしか成せない技だという。

 特集実施のきっかけについて、大河内さんは「『手の持つ力がコンピューターに取って替わられることは決してない』という奥山さんの考えと、『手の復権』をコンセプに掲げる東急ハンズの思いが重なった」と振り返る。「この企画を通じて、地方の職人が手がける商品の素晴らしさをはじめ、日本のモノづくりの文化が少しでも多くの人に伝わればうれしい」(同)とも。

 営業時間は10時~20時。特集は11月9日まで。

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