シルバー劇場(名古屋市中村区太閤1)で公開予定の映画「悪夢探偵2」の塚本晋也監督が12月17日、伏見ミリオン座(中区栄1)で作品PRを行った。
同作品は、ライトノベル「悪夢探偵」シリーズを映画化した第2弾。女子高生・雪絵が「毎晩見る悪夢を取り除いてほしい」と主人公・影沼京一(悪夢探偵)を訪ねてくる。その後、京一は思わぬ悲劇に遭遇するが、恐怖の果てに亡き母の愛を知るスリラー・ヒューマン・サスペンス。主人公は松田龍平さんが演じる。
塚本監督は、脚本・監督・撮影・照明・美術・編集・出演など製作に関するほとんどの作業にかかわる独特のスタイルで作り出した映像で多くのファンを魅了するほか、竹中直人さんが監督を務める映画「119」や松尾スズキさんが監督を務める映画「クワイエットルームにようこそ」などに出演し、俳優としても知られる。
松田さんの起用について、「この作品の主人公は『人の夢に入る』という現実では起こりえないことを起こしてくれそうなイメージを持っている人に演じてもらいたかった。神秘的な存在感とナチュラルさ、見た目がきれいなところ、その全てを兼ね備えているのが彼だった」と振り返る塚本監督。
ホラー映画への挑戦について、「実は怖いものが苦手。『リング』(邦画)を見た時は、恐怖で全く眠れなかった。だから、お化けや霊は目に見えない存在なので描くのも嫌だった。でも、怖いものにはいくつか種類があって、たとえば『エイリアン』みたいに目に見える存在が襲い掛かってくる物語は楽しくて好き。そういう理由からホラー映画にも挑戦してみようと思った。この映画の1作目はどちらかというとサスペンスだが、2作目はホラーテイストのヒューマンストーリーに仕上げた」と話す。
ラストシーンについては、「京一が泣く場面があるが、特にこれといった演出はしていない。脚本には『泣く』と書かず『母を思う』と書き、松田さんに『ラストシーンは一番大事な場面なのでよろしくお願いします』とだけ伝えた。すると彼は本番で自然に涙を流し、結果的に『涙のシーン』になった」とエピソードを披露した。
同作品の上映は来年1月10日から。