各地のホテルで鉄道プランが人気を集める中、多くの路線が集まる名古屋駅に隣接する名鉄グランドホテル(名古屋市中村区名駅1、TEL 052-582-2211)もひそかに鉄道ファンの人気を集めている。
部屋は16・17階の西向きの34部屋(ワンフロア=17部屋)。窓の外には名古屋の街並みが広がり、JR東海道線・関西線・中央線、あおなみ線、近鉄線のほか、貨物列車を見ることができる。
鉄道情報のサイト「鉄道フォーラム」の運営や、ニュース速報サービス「TRAIN News」制作、メールマガジン「鉄道ウィークリー」発行を手がける鉄道フォーラム社長で、鉄道専門誌でも執筆活動行うなど、鉄道ファン業界で活躍する伊藤博康さんは、同ホテルの一室からの鉄道風景を見て、「これだけさえぎるものがなく、何にも邪魔されずに鉄道を見る空間はない」と言い切る。
この部屋を初めて訪れた伊藤さんは、入るなりカメラを構え、撮影体制に。「高層階なので、新幹線の先頭がきれいに見える」。バリエーションが豊かで、たくさんの併走シーンを一望できるので、「ジオラマ好きにはたまらないだろう」と、その魅力を話す。
さらに、「始発など、朝早い電車や列車を撮影する際には、前の日から宿泊できるホテルは強い」としたうえで、「チェックインは、夕暮れ時を目指してくるといいのでは。街に明かりがともり始め、電車にもヘッドライトがともる時間がいい。雨の日でもぬれたレールや屋根の上が反射する風景もきれい」とも。
この部屋の利用傾向について、同ホテルの湯浅さんは「もともと眺めがいいという評判があった。リピーターのお客様は、景色のいい西向きの部屋をリクエストされることも」と話す。
同ホテルでは2月19日に「パノラマサイド宿泊プラン」と題し、鉄道ファンや親子連れをターゲットに販売を始めた。販売当初は、1日5件の利用があるなど好調な滑り出しを見せた。現在でも1日平均2~3件の利用があるという。
「パノラマサイド宿泊プラン」の料金は、1日2室限定のデラックスツイン(2人、24,000円)、1日5室限定のスタンダードシングル(1人利用8,500円)。