常滑を拠点に活動する作家4人がそれぞれ別のジャンルの作家とコラボレーションする、4組8人の作品展「TUKURU IKIRU TSURUMU ツクル イキル ツルム」が現在、ノリタケの森ギャラリー(名古屋市西区則武新町3、TEL052-562-9811)で開催されている。
同展は今回で4年目。コラボレーション企画は今回が初めてで、陶芸家2人、画家1人、彫刻家1人の4人の作家が、それぞれ自分で決めた相手とコラボレーションし、展示を行う。4人の作家は仕事場やアトリエを常滑に構え、自然にできた横のつながりの仲間。
会場では、入り口付近に8人の作品を展示。その奥を4つに仕切り、それぞれのコラボレーション作品を展示している。
陶芸家の冨本大輔さんは、すり鉢メーカー「ヤマセ製陶所」(常滑市)とコラボレーション。「すり鉢といえば赤茶色。あのイメージを払しょくしてみたかった」と冨本さん。「まっさらのすり鉢に、染付け(柄を描く)を行った。即興的に描くもの、描き込むもの、年代の特徴などさまざまな絵柄がある『そばちょこ』をヒントにした」という作品は、底面にも丁寧に柄が描かれ、見た目にはすり鉢とは思えない。「すり鉢としても優れているので、実用的に使ってもらっても」とも。
画家の松永賢さんは、自身が持つ女性像をモチーフに、顔のアップをモノトーンで表現。大きなキャンパスに描かれた作品は、強いインパクトを放つ。コラボレーション相手のフラワーセラピスト・深江啓子さんは赤色など鮮やかな色の花をディスプレーし、一つの空間を作り上げた。
今回の展示について、冨本さんは「コラボレーションすることが前提のため、相手も意識し、おのおのが考えるところがあったのでは。できあがった作品を持ち寄り、会場でレイアウトしていくことも作り上げていく工程。見ていて自分も刺激された」とその魅力を話す。
同ギャラリーの今泉さんは「当館は正統派の作品展が多い。そうした中、今回の『ツクル イキル ツルム』では、毎回『こんな見せ方があるのか、見せ方で変わるんだな』と感心する」という。「初開催から『ツクル イキル ツルム』の作家さんとかかわってきているが、作ること、生きることに、いい意味でどん欲だと感じる。年齢は30~40代で、一番エネルギーがある年代だと思う」とも。
作品はすべて販売を行う。営業時間は10時~18時(最終日は16時まで)。入場無料。今月12日まで。