古民家を利用したイベントスペース「つくる。」(一宮市)で現在、一宮市内の風景を撮影した写真展「つくる。的写真展」が開催されている。
「つくる。」は築約50年の2階建ての古民家を利用したイベントスペースで、造園会社m28e(エム・ニジュウハチ・イー、一宮市)の事務所と作業場に併設されている。
同民家の活用は、同社社長で庭師の古川さんが民家の庭の解体を依頼されたことに始まった。壊されそうになっている民家を見て、「いい感じの雰囲気を持っていて、これは壊してはいけないのでは」と思い、思い切って購入したという。以後、アーティストの集まる場所、来られる場所としてイベントスペースに改装し、これまで音楽ライブやマーケットなどのイベントを行ってきた。
同展は、作品を持ち寄るのではなく公募で集まった参加者が、3カ月間で5回行う撮影会に参加し作品を作っていくもの。撮影スポットは、かつて繊維を中心とする産業が盛んだったという一宮市内。「一宮で古くても守っていきたい場所」をテーマに今でも稼働する織物工場の中や、渡し船、民家、駅周辺などを撮影。その後、古材などを使い、それぞれ展示用のフレームを手作りするワークショップを行うほか、内装も参加者で作り上げた。「すべてが手作りの写真展」と同社の小枝さん。
写真展企画のきっかけについて、小枝さんは「助成金も下りていて、市民活動で何かしたいと思っていた。写真なら誰でも参加しやすく、あらゆる世代に表現しやすいものだと思った」と振り返る。親子で参加した小さいこどもから70代まで幅広い年齢層が参加し、「世代交流ができていい結果を招くことができた」。
「同じ場所を撮影しているのに、異なるたくさんの視点が見ることができ、自分も参加者のみなさんも刺激を受けた。今回の企画で、一宮の基本的な情報や、撮影場所に関係している一宮市民の生の声が聞けたことが良かった」と振り返る。
開催時間は12時~17時。9月20日まで。