多くの鞄メーカーが所属するランドセル工業会は、2025年4月に小学校へ進学する児童を持つ親を対象に、ランドセルの購入に関する調査を実施し、その結果を発表しました。
購入したランドセルの色(上位5項目)
100年以上の歴史をもつランドセルのスタイル自体は大きく変わってはいませんが、「黒」「赤」が基本だった時代からさまざまなカラーが展開されるようになったり、お子様の生活環境や学習環境の変化に合わせて機能性や耐久性を向上させる技術開発が行われたりと、常に進化をしてきました。そこでランドセル工業会では、毎年4月の入学シーズンに合わせて、小学校へ入学する児童を持つ親を対象にランドセルの購入に関する調査を実施しています。トレンドも毎年少しずつ変化しており、今後ラン活を控えるご家族の参考になるよう、最新の2025年度のランドセルトレンドについてご紹介します。
■調査・研究結果のサマリー
・人気のカラー1位は、ここ数年女の子は「紫/薄紫」がトップをキープし、男の子も不動の「黒」が1位ではあるものの年々減少傾向にあり、より多様化が進んだ。
・購入の検討時期は4月が依然として16.2%とピークではあるが昨年からは減少。代わりに1~3月が増加し、検討時期は早期化傾向にあると言える。また、購入時期は5月が20.3%で最も多く、8月が次に多く13.9%と続いており、祖父母が費用を支払うことも多いため、休み時期とピークが重なっている。
・検討・購入に際して訪れた場所は大型スーパーやショッピングモールが多く、実際に見て、手に取って、背負ってから購入する方が多い。
■ランドセルの購入に関する調査 概要
調査手法 :インターネット・アンケートによる定量調査
(パネル:(株)クロス・マーケティングのアンケート・モニター)
対象者条件:全国の20~69歳の男女、2025年4月に小学校に進学する児童のいる親
※第一子かどうかは問わない、ランドセルを新しく購入した人(おさがり、中古ではない)
サンプル数:1,500件
実施時期 :2025年02月3日(月)~2月5日(水)
■2025年度最新のトレンドカラー!男の子はより分散、女の子は新定番となりつつある「紫」がトップ
男の子は、定番カラーの「黒」が52.7%と変わらずトップをキープ。2位「紺(ネイビー)」や3位「青(ブルー)」も少し減少し、4位の「緑」や5位の「うす茶」が微増。より分散していることがわかります。
女の子は、「紫/薄紫(スミレ、ラベンダー等)」 が引き続き最多で拡大基調。「桃(ピンク、ローズ)」「水色(スカイブルー)」も年々増加傾向にあります。かつて定番だった「赤」は4位で昨年から3.3%も減少。 今年も男女ともに5位にランクインした「うす茶(ライトブラウン、キャメル) 」は、性別を問わず人気のある色だといえます。
■購入したランドセルの検討開始・購入時期
例年同様に検討開始時期としては 4月がピークとなっており、「1年後」の入学を意識して行動される方が多い。しかし、1~3月のスコアが上昇、ピーク後の5月以降は下降ないし横ばいとなっており、検討開始時期の早期化傾向は続いている状況です。
なお、実際に購入した時期は5月・8月が多く、ランドセルの支払いを祖父母がする場合も多いこともあり大型連休や夏休みのタイミングが多くなっていると考えられます。
購入したランドセルの検討開始時期
購入したランドセルの購入時期
■検討・購入に際して訪れた場所/Web
購入まで、または購入時においても「GMS/大型スーパー/モール」が昨年同様にトップに。実際にランドセルを背負って体感するお子様が増えています。ランドセルメーカー各社もランドセルを選ぶ場・購入する場の体験価値向上に努めており、ランドセル選びがお子様にとっても家族にとっても大切なイベントとして定着してきているのが分かります。
購入までに訪問した店舗/Web (上位10項目、複数回答)
■購入した商品の決定理由
昨年同様にランドセル購入の決め手は「子どもの好きな色かどうか」が最も重視されています。次いで「デザイン」となり購入前と購入後では変化が起きています。近年はカラーだけではなく細かい刺繍やステッチ、部品でもある鋲なども各社メーカーによってさまざまなデザインがあり、幅が広がったことでよりお子様の個性を尊重される方が増えている傾向です。一方機能性の項目は「軽さ」はある程度重視されつつも、そのほかは軒並み微減、横ばいといった結果になりました。
購入した商品の決定理由 (上位10項目、複数回答)
■購入したランドセルの購入金額帯
購入金額の平均は60,746円で、 65,000円以上のランドセルを購入される数値が増加しており、平均購入額が引き上がっておりますが、上昇率は下がり始めている傾向です。ランドセルに関しては増加幅が小さくなっています。
▼その他の調査項目、昨年以前の調査はこちら
https://www.randoseru.gr.jp/graph/
■ ランドセル工業会 会長 林 州代 コメント
この「ランドセル購入に関する調査」は毎年行い続けて今年で8年目となり、もともとは次年度のランドセル生産に役立てるために始めたものですが、年々熱くなっている「ラン活」にお役立ていただけるようにと考え、ご紹介するようになりました。多様性の時代にも文化として根付いているランドセルは、子どもたちの夢・保護者の方々の夢・作り手の想いが詰まった存在です。子どもたちに小学校6年間を楽しく、安全に過ごしていただけるよう、工業会員はこれからもこだわりのランドセルを作り、進化させていきます。そして子どもたちだけではなく、周りのご家族も笑顔になってくれたらと思います。