高校生の就職を支援している「ジンジブ」(大阪市)は、企業の高卒採用ご担当者を対象に「【26卒】高卒採用の充足状況と採用活動に関する調査(2025年12月)」を実施しました。
【アンケート実施背景】
少子高齢化により労働人口の減少が進む中、企業における若手人材の確保は年々厳しさを増しています。
特に、高卒採用市場においては、長年続いた「求人票」を中心とした就職活動の仕組みに加え、近年のデジタル化や生徒のキャリア観の変化により、従来の手法だけでは十分な母集団形成やマッチングが難しくなっているのが現状です。
そのような背景から、多くの企業が採用難や入社後のミスマッチといった課題に直面しており、時代に合わせた採用活動への変革が求められています。
そこで、株式会社ジンジブ(https://jinjib.co.jp/)は、企業の高卒採用ご担当者を対象に「2026年卒の高卒採用の充足状況と採用活動」に関する調査を実施しました。27卒の採用活動をスタートしていくにあたり、企業の高卒採用計画の最新動向について考えます。
調査概要:【26卒】高卒採用の充足状況と採用活動に関する調査(2025年12月)
【調査期間】2025年12月9日(火)~2025年12月10日(水)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,010人
【調査対象】調査回答時に企業の高卒採用ご担当者と回答したモニター
【調査元】株式会社ジンジブ(https://jinjib.co.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
2026年卒の高卒採用の実態とは…約3割が「採用充足した」と回答!採用活動継続も3割を超える
Q. 2026年卒の高校新卒の採用人数について計画通り充足しましたか?

「2026年卒の高校新卒の採用人数について計画通り充足したか」とたずねたところ、『計画通り充足した(29.4%)』と回答した方は約3割にとどまりました。
一方、『充足していない(1名以上内定を出したが満足していないため、採用活動は継続)(32.4%)』『充足していない(1名以上内定を出し、採用活動は終了予定)(24.5%)』という結果となりました。
約7割が、計画通りの採用人数を確保できていない実態が浮き彫りになりました。
さらに詳細を確認すると、内定を出しても満足できず、活動を継続する企業が3割を超えていることから、激しい採用競争が続いていることが推察されます。
また、採用人数の充足状況を、回答者の業界属性別で見ると「製造業」、勤め先企業規模別で見ると「1,000人以上」の企業が採用の充足度が高かったということがわかりました。
Q. 2026年卒の高校新卒の採用計画は昨年と比較し、募集人数枠の増減はありましたか?

「2026年卒の高校新卒の採用計画は昨年と比較し、募集人数枠の増減はあったか」とたずねたところ、『変わらない(49.3%)』が最も多かったものの、『増やした(45.0%)』と回答した方も約半数となりました。
募集人数枠を拡大する企業が約半数に上り、将来的な事業成長のために、高卒人材のポテンシャルに期待を寄せていると考えられます。
また、『2026年卒から採用を始めた』という回答も一定数存在することから、労働力不足を背景に、高卒人材を新たな戦力として評価する動きが広がっているようです。
採用における重要ポイントとは?今後取り組むべきことは「直接的なアプローチ」だった!
採用難易度が高まる中、採用に成功した企業はどのようなきっかけで生徒たちと出会うことができたのでしょうか。
2026年の高卒採用人数について、『計画通り充足した』『充足していない(1名以上内定を出したが満足していないため、採用活動は継続)』『充足していない(1名以上内定を出し、採用活動は終了予定)』と回答した方にうかがいました。
Q. 今回採用に至った生徒はどのようなきっかけで応募に繋がりましたか?(複数回答可)

「今回採用に至った生徒はどのようなきっかけで応募に繋がったか」についてたずねたところ、『学校に届けた求人票(48.5%)』と回答した方が最も多く、『民間企業の合同企業説明会(40.0%)』『ハローワークの合同企業説明会(39.6%)』となりました。
「学校経由の求人票」が主要なルートであることは変わりませんが、「民間企業の合同企業説明会」「ハローワークの合同企業説明会」もそれぞれ約4割と高い割合を示しました。
求人票という「紙」の情報だけでなく、イベントなどを通じて企業の雰囲気や担当者の熱意を直接伝えることが、応募の大きなきっかけとなっていることがうかがえます。
Q. 2026年卒の高校新卒採用活動はいつ頃から開始しましたか?

はじめに、「2026年卒の高校新卒採用活動はいつ頃から開始したか」とたずねたところ、全体回答としては『7月(17.3%)』と回答した方が最も多い一方で、通常よりも早い時期の『2025年3月以前(16.0%)』『4月(15.3%)』と続きました。また、前設問にて「2026年卒の採用人数が計画どおり充足した」と回答した方は『2025年3月以前(23.2%)』と回答した方が最も多く、『4月(16.8%)』『7月(15.8%)』となりました。
高校新卒採用では、7月1日の求人情報解禁に合わせて活動が本格化するため、『7月』に開始と回答した方が最多となりました。
しかし、計画どおり充足した企業は『2025年3月以前』と年度変わりの前から活動していることから早くスタートすることで採用活動が成功する可能性があるようです。
では、企業側は接点を作るために、具体的にどのようなアプローチを行っていたのでしょうか。
Q. 求人情報を学校に伝える上で、どのような活動に注力しましたか?(複数回答可)

「求人情報を学校に伝える上で、どのような活動に注力したか」と質問したところ、『先生への電話での連絡(40.5%)』と回答した方が最も多く、『近隣の学校への訪問(40.2%)』『求人票の発送(37.6%)』となりました。
「先生への電話連絡」「学校訪問」が上位を占めており、採用活動の開始時期は早まっている傾向があるものの、進路指導担当の先生との関係値は変わっていないようです。また、約3割の方が「求人票」や「県外への訪問」、約2割の方が「先生との交流会」や「メールでの連絡」と様々なアプローチを行っていることが明らかになりました。
このことから、まずは様々な方法で先生に自社の魅力を認知してもらうことが、スタートラインとして不可欠であると考えられます。
Q. 2026年卒の採用で、採用活動中にミスマッチを防ぐために特に注力して取り組んだことについて教えてください(複数回答可)

そして、「2026年卒の採用で、採用活動中にミスマッチを防ぐために特に注力して取り組んだこと」についてたずねたところ、『インターンシップを受け入れた(29.5%)』と回答した方が最も多く、『高校生と話せるイベントに参加した(28.7%)』『職場見学などで働く先輩社員と話す機会をつくった(27.8%)』となりました。
「インターンシップ」「イベント」「先輩社員との対話」など、高校生にも直接アピールできる場が必要だと感じている様子がうかがえます。文字情報だけでは伝わりにくい「リアルな情報」を届けることが、入社後のギャップを減らす鍵となっているようです。
また、2026年の採用充足別で見ると、「計画通り充足した」と回答した方は、「充足しなかった」と回答した方と比較すると取り組み数が多い結果になりました。採用が上手くいっている企業は、採用活動時点から入社後を見据えてミスマッチ防止に注力していることがわかります。
架け橋となるのは“求人票”だけではなかった!?令和の高卒採用ツールとは
こうした対面での活動と並行して、募集の要となる「求人票」はどのような工夫を行っているのでしょうか。
Q. 2026年卒の高校新卒採用の“求人票”は、昨年度と比べてどの項目を変更しましたか?(複数回答可)

まず、「2026年卒の高校新卒採用の“求人票”は、昨年度と比べてどの項目を変更したか」とたずねたところ、『給与・賞与(39.6%)』と回答した方が最も多く、次いで、『休日日数(30.4%)』『勤務地エリアの変更(27.8%)』となりました。
「休日日数」や「勤務地エリアの変更」など、ワークライフバランスや働きやすさに関連する項目の改善も進んでおり、条件面での魅力を高めることで競合との差別化を図ろうとする狙いが読み取れます。
2026年卒の採用充足別で確認すると、採用に成功している企業ほど『給与・賞与』と回答した方が多い結果となり、賃上げの動きが高卒採用にも波及していることがわかります。また、変更した項目数は「計画どおり充足した」と回答した方より「充足していない(1名以上の内定あり)」の方が多い結果となりました。充足していない企業は変更項目を増やすことで採用結果の変化を求めているようです。
結果的に「企業の体力」や「企業の魅力」を高めないと採用を充足させることができず、企業にとっては非常に厳しい採用市場に変化しつつあるようです。
Q. 2026年卒の高校新卒採用で“求人票”以外に強化した採用ツールを教えてください(複数回答可)

最後に、「2026年卒の高校新卒採用で“求人票”以外に強化した採用ツール」についてたずねたところ、2026年卒の採用充足別で以下のような回答結果になりました。
■計画どおり充足
『採用パンフレット(45.8%)』
『自社HP(41.1%)』
『求人サイト(33.3%)』
■充足していない(1名以上の内定あり)
『求人サイト(40.6%)』
『ハローワークの合同企業説明会(39.6%)』
『自社HP(35.7%)』
■充足していない(内定なし)
『ハローワークの合同企業説明会(29.9%)』
『求人サイト(23.4%)』
『自社HP(21.9%)』
求人票以外のツールとして、「計画どおり充足」している企業は、外部ツールより自社ツールを強化している傾向があるようです。しかし、そのような企業は採用競争力が高い可能性があるため、採用ツールの強化に悩んでいる企業は「会社を知ってもらう外部ツール」と「独自の魅力をアピールできる自社ツール」の両方を充実させる必要があるようです。
また、全体の約1割が『採用向けのSNSアカウントや動画配信』と回答していることから、高校生がスマートフォンで気軽にアクセスできるツールの強化も行っていることが明らかになりました。現在の採用戦略としてデジタルネイティブである高校生に向けた「自社発信」の力も問われるようです。
【まとめ】高卒採用を成功に導く鍵は「条件の改善」「早期の採用活動開始」と“リアル×デジタル”の接点を強化すること
今回の調査で、2026年の高卒採用における企業の苦戦と、具体的な対策の実態が明らかになりました。
昨年よりも募集人数枠を「増やした」企業が約半数と、高い採用意欲があります。一方で、2026年の高卒採用の人数が計画通りに充足できた企業は約3割にとどまっており、需要に対して供給が追いつかず、採用競争が激化している現状が浮き彫りになりました。
採用活動の内容を見ると、生徒の応募のきっかけは「学校に届いた求人票」に加え、「合同企業説明会」が上位になりました。就職希望者が減少している昨今では、高卒採用で注力されてきた先生との関係構築だけではなく、生徒との直接的な接点も重要視されています。
また、ミスマッチ防止策として「インターンシップ」「イベント」「先輩社員との対話」に注力した企業が多いことから、リアルな情報提供、体験やコミュニケーションによる理解の促進に力を入れ、入社後のギャップを生まない工夫をしていることがわかります。
求人票の項目については「給与・賞与」「休日日数」「勤務地エリア」を見直す企業が多かったです。こうした待遇改善による「働きやすさ」の強調は、はじめて社会に出る高校生に向けた募集ならではの傾向と言えます。
同時に、求人票以外のツールとして「求人サイト」や「自社HP」の強化が挙げられており、アナログな学校訪問とデジタルな情報発信を組み合わせた活動が、令和の高卒採用におけるスタンダードになりつつあるといえます。また、SNSツール等を通した自社発信の力も問われることから、大卒採用と同じく「民間サービスの力」を活用しつつ、「企業の採用力」や「採用における自社の魅力」を考え、周知する必要があるようです。
また、「3月以前」から採用活動を行っている会社が増えていることから、採用活動の開始時期を早めることが採用成功のカギになっていることが明らかになりました。採用競争が激しくなる高卒採用において、求人票を発送して終了ではなく、能動的な活動が重要になるようです。
今後の高卒採用においては、労働条件の改善はもちろん、学校・先生との関係構築を維持しつつ、デジタルツールやイベントを駆使して生徒本人に直接魅力を届ける「多角的なアプローチ」とその「採用活動時期の早期化」が、採用成功のわかれ道になるのではないでしょうか。
