名古屋駅近くの柳橋中央市場内の「名古屋綜合市場」(名古屋市中村区名駅4)に12月16日、専門学校「名古屋モード学園」(名駅4)の学生がデザインした装飾が登場した。
50年以上の歴史を持つ名古屋綜合市場は、プロだけでなく一般客も買い物できる開かれた市場で、鮮魚店、精肉店、青果店、総菜店など28店舗が軒を連ねる。
これまでに、城門のデザイン、鮮魚店の店舗デザインなどでコラボ企画を展開してきた両者。今回は、市場内の約11メートルの吹き抜けを生かした空間プロデュースを企画した。学生からの応募作品は147点。グランプリに選ばれた、ファッションビジネス学科2年生の武市真由美さんが企画しデザインした装飾を吹き抜けに飾った。モチーフにした大漁旗には、タイや野菜、肉などが船に盛られたイラストに、「おいしさも笑顔も大漁!」「おいしさと笑顔がてんこもり!」などのメッセージを添え、周りをLEDで飾り、にぎやかに演出している。
同社の伊藤彰社長は「暗いニュースが多い中だが、みんなで頑張ろうというメッセージを込めたデザイン。東北だけではなく、みんなで元気になろうというシンプルなアイデアが心を打った。元気の源は食べること。『食』を通して元気にしていきたい」と話す。
今年からグラフィックデザインも学び始めたという武市さんは、今回のこの企画に参加するまでは、同市場の存在は知っていたが訪れたことはなかったという。「初めて訪れた時、イメージ通りにぎわいのある市場だった。市場で働く方々にもやさしく接してしてもらった。そのやさしさや元気をデザインに組み込みたいと思った」。デザインについては、「東日本大震災もあった今年。元気になってほしいという気持ちを込めてデザインした」と話す。「地域の活性化にも大きくつながる。学生も自分たちも市場に足を運び、調べ、市場を知ることになる」と同校教諭の吉田さん。
当日9時、除幕式と点灯式を行ったセレモニーを開催。LEDが点灯されると、大きな拍手と共に「ええね」「きれい~」「派手~」などの歓声が上がった。