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ミッドランドスクエアシネマで映画「共喰い」-青山真治監督が来名

映画「共喰い」のPRで来名した青山真治監督

映画「共喰い」のPRで来名した青山真治監督

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 9月7日から名駅の映画館「ミッドランドスクエアシネマ」(名古屋市中村区名駅4、TEL 052-527-8808)などで公開される映画「共喰い」の青山真治監督が来名し、会見を開いた。

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 同作は2011年の第146回芥川賞に選ばれた田中慎弥さんの同名小説が原作。昭和時代の山口県下関市を舞台に人間の性と暴力を描いた物語。「EUREKA ユリイカ」「東京公園」などで数々の映画賞を受賞し、海外でも高い評価を受ける青山監督がメガホンをとった。

 17歳の高校生・遠馬(菅田将暉)は、父(光石研)とその愛人の琴子(篠原友希子)と暮らしていた。父にはセックスの時に相手を殴る暴力的な性癖があるため、母の仁子(田中裕子)は家を出て近くで魚屋を営んでいる。遠馬は粗暴な父を疎ましく思っていたが、幼なじみの千種(木下美咲)との性行為の中で自分にも同じ性癖があることを自覚していく。

 人間の奥底に潜む深い闇をあぶり出す原作。映画化を持ち掛けられ、一読し、「これはいける」と感じたと話す監督。映画では親子を取り巻く女性たちの凛々(りり)しく、したたかな姿にもカメラを向けた。原作にほれ込みながらも、さらに先のラストシーンに挑戦した。「ここ何作か男性よりも女性を撮りたいという欲望が強かった。自分のやりたいことに底の方でつながる作品だと思い、監督をやらせてもらった。エンディングは原作の後ろに隠れていたもの、作品世界に備わっていたものを引きずり出した」

 遠馬を演じた菅田さんはオーディションで選んだ。「遠馬と千種はフレッシュで、あまり人目に触れてない存在を探した。決め手は存在感。オーディションではあまり目を合わさなかったが、時々合うと眼力があった。俳優陣にはほとんどアドバイスしていない。彼らがシナリオを読んで感じたことを現場で表現してもらった。時間をかけて撮るよりも瞬発力を大事にした」という。

 映画化に関して作者の田中さんからのリクエストは一切無かったという。「やれるものならやってみろと思っていたのだろう。唯一の趣味が映画と言うくらい好きな人なので、きちんと見る目がある。映画が完成した時に『人生で一番うれしい』と言ってもらえたことが印象に残っている。芥川賞の受賞会見の印象とは違い、理知的で聡明(そうめい)でパワフルな人だった」

 最後に監督は「いろいろな角度から話される作品になったが、自分では古き良き昭和の映画のリニューアルバージョンだと思っている。そう考えて見ていただけると、さらに楽しめるはず」と来場を呼び掛けた。

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