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名駅で伝統芸能・文化テーマの「やっとかめ文化祭」、オープニングイベント開催へ

「文化祭を通じて街の魅力に気づき、もっと好きになってもらえたら」と、プロジェクト担当の吉田祐治さん

「文化祭を通じて街の魅力に気づき、もっと好きになってもらえたら」と、プロジェクト担当の吉田祐治さん

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 名古屋の伝統芸能や文化をテーマにしたプロジェクト「やっとかめ文化祭」のオープニングイベントが10月31日、ミッドランドスクエア(名古屋市中村区名駅4)地下1階のアトリウムで行われる。

「やっとかめ文化祭」パンフレット

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 昨年始まった同プロジェクト。江戸時代の名古屋は、尾張徳川家の下で伝統芸能が育まれ、町人の間でも芸能文化が花開いた時代。「名古屋にこんな魅力があるなんて知らなかった」「名古屋の文化を伝えていってほしい」という声が参加者から届いたという。「心強い声をたくさん頂いた。事業の趣旨やイベント内容には多くの賛同を頂いたが、比較的ご年配の方の参加が多く、認知度の不足や年代的な偏りを感じた」(プロジェクト担当の吉田祐治さん)と、昨年を振り返る。

 オープニングでは、講談師の古池鱗林(こいけりんりん)さんを迎え、ステージイベントを開催。演目は、みちばた芝居「痛快!川上貞奴一座」、NEO狂言「福之神」、歌舞伎舞踊「連獅子」。出演者による「菓子まき」も行われる(18時~)。

 今年は、街中を会場に全130プログラムを開催。多くの市民の協力の下、全て手作りでプログラムを作成。「今年は十分に準備をして、全てのプログラムで内容を充実させるように心掛けた」。「より幅広い年代に向け、自分の街の財産として、より身近に感じていただけるように」体験型のプログラムを多く用意した。すでに売り切れているプログラムもあるという。

 「芸どころまちなか披露」では、商店街や商業施設、ショッピングモールなど「ストリート」を舞台に芸能を披露する。室町時代に成立した日本で一番古いといわれる喜劇「狂言」をストリートライブで行う「辻狂言」は、今回の目玉になるという。ただ観覧するだけでなく、狂言の体験や狂言師とコミュニケーションできるような仕掛けを盛り込んでいる。そのほか、日本の女優第1号といわれる川上貞奴の人生を描いた芝居、茶道工芸3代目を継ぐ金工師と建築家らがまちなかで開く茶会、長唄、お座敷芸、講談なども用意する。

 「芸どころ名古屋舞台」は、武家の式楽として受け継がれてきた能楽や、町人に好まれた大衆芸能の舞台。照明が無かった時代と同じようにろうそくの火を明かりに演じる「ろうそく能」、粋で色っぽい男女の仲を歌う名古屋で生まれた「都々逸(どどいつ)」、漫才のルーツとされている「尾張万歳」など。

 伝統芸能の稽古体験や座敷遊びなどの体験講座「まちなか寺子屋」は、23項目を用意。独特の発声での会話講座「狂言をお稽古してみよう」、芸者の芸を堪能できる「老舗料亭でお座敷遊び体験」、都々逸や端唄で恋愛ゲームを疑似体験する「お座敷唄で恋愛ゲームをしよう」など。

 地元のガイドと回る「歴史まち歩き」は36コースを用意。東海道最大の宿場町「宮宿」かいわい、名古屋築城とともに作られた運河「堀川」、江戸時代のメーンストリート「本町通り」、遊郭の跡が残る「中村・大門」、などを巡る。

 「文化はそこに暮らす人がバトンを受け取り、育んでいくもの。住む人が自慢したいと思うものは、やがて多くの人を引きつける、街の大きな魅力になっていくと思う。文化祭を通じて街の魅力に気づき、もっと名古屋を好きになってもらえたら」と参加を呼び掛ける。

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