
原石・化石の特集イベント「ミネラルロマンス」が4月17日、名駅の「ハンズ名古屋店」(名古屋市中村区名駅1)10階で始まった。
ナミビアのエロンゴ山で採れたグリーンの蛍石が無数に付いている大型の標本
同イベントは、海外で開催される原石・化石展(ミネラルショー)で買い付けた商品を販売する名古屋店オリジナル企画で、19回目となる。
企画担当者の塩野正鎮さんらが米国アリゾナ州ツーソンで開催された「ツーソンミネラルショー」に出向き、約2週間の滞在でコレクター放出品やディーラーのストック品、稼働鉱山で採れた物など約7000点を買い付けた。
「犬牙状に結晶した姿がきれい」(塩野さん)というコレクター放出品で20年以上前に閉山した南アフリカの鉱山産の「ロードクロサイト クラスター」、世界で人気だという、ピンク、ブルー、グリーン、パープル、イエローなど多様な色が出ることが特徴の「蛍石」、透明度が高いブルーにイエローのゾーニングを持つ蛍石の結晶や、ブルーからパープルの色の変化が見られる母岩付きの結晶なども並ぶ。
ナミビアのエロンゴ山で採れた白雲母を母岩にするグリーンの蛍石が無数に付いている大型の標本は「この産地の蛍石の特徴的な『晶系』である切頂(せっちょう)八面体がたくさん見られる。お客さまが購入しやすいようにトリミング(小さく割る)用として買い付けたが、作業も大変なので、いったん塊のまま販売する。元の群集の姿を見てもらえる」という。
そのほか、日本では群青色の顔料として有名な「藍銅鉱」の中でも薄い板状の結晶が花弁状に集合結晶することから「アズライトローズ」と呼ばれる物、貝殻の成分であるカルシウムが溶けて空洞になった貝の中に結晶した「カルサイト」、オリーブのような緑色の鉱物「オリビン(ペリドット)」を内包する約10万年前の火山弾、きれいな姿が残っているアラゴナイトでコーティングされた約40万年前のカニの化石などを販売。「主に子どもに喜んでもらえるように」と、トリケラトプスの骨やモササウルスの歯の化石など恐竜関連のアイテムもある。
価格は、数百円から数十万円と幅広い。塩野さんによると、為替の影響のほか、中国などアジアでも鉱物の人気が高まり売り手市場になって、ミネラルショーでの販売価格が高くなっているという。「僕たちは何か欲しい物を目がけて買いに行くのではなく、経験で培った相場と照らし合わせてお値打ちで良質な物を探して仕入れてくる」と塩野さん。買い付けてきた鉱物を割る、トリミングする、クリーニングするなどの作業も塩野さん自身で行い、なるべく購入しやすい価格に設定しているという。
営業時間は10時~20時(最終日は18時まで)。5月7日まで。