6月25日朝から、白衣を身に着けた男性3人が名駅エリアの書店に出没した。その中の1人、黒岩将さんが今月5日に出版した著書「出稼げば大富豪」(KKロングセラーズ)のPRのため、全国の書店を回るキャンペーンを行っている。名付けて「白衣課程 誠心誠意 全国書店行脚の旅2009」(黒岩さん)。
黒岩さんは現在、奈良先端科学技術大学院大学の情報科学研究科の博士課程の大学院生でありながら、昨年婚活応援サービスを展開する会社「ホープフル・モンスター」を設立。設立したものの倒産の危機に陥り、1年目の年間の売り上げは29万円。「貧乏なんです。さっきまで携帯止められていました」(黒岩さん)と明るく笑う。
そんな中、知人から「バリ島でプログラムの仕事しない?」と声をかけられ、回りの反対も押し切りバリ島へ。そこでバリ島でも有数の日本人の大富豪に出会った。黒岩さんは親しみを込め大富豪のことを「兄貴」と呼ぶ。「兄貴の言葉、考え行動が胸を突き通すほど心に響いた」といい、「弟子入り」することを決意。数日後、兄貴は「はよおいで」と快諾してくれた。
著書では、バリ島での「兄貴」と黒岩さんとのエピソードがつづられている。そこには思いもよらない「兄貴」の格言が記され、そこから学んだ黒岩さんが「○○理論」と名付け、成功理論としまとめている。「マルチーズ風理論」「白目剥き理論」「さわやか理論」など全部で24個の成功理論を紹介する。
キャンペーン内容は主に書店へのあいさつ回り。置いていない書店には「こんな本出しているんですよー、と宣伝します」と黒岩さん。「ゲリラで行くところも多いので、時には迷惑がられたりもします」とも。奈良から出発し、今まで大阪、神戸、東京を回ってきた。
「大阪では気軽に声をかけてくるおじさんとか多かったんですけどねー。神戸ではすごい避けられようで…。東京では何なんだろうとすごく見られ、注目度は高かった。完全に引いている店員さんや警備員に止められるなど事件はいっぱい」「(乗車中)タクシーの運転手さんに本の話しをしていたら、料金をおまけしてくれたり、本を買うよ!と言ってもらえたり…」など、各地でのエピソードが絶えない。
白衣には、「脱貧」「貧乏博士課程」など書かれ、本の表紙写真がついた「ぼく著者です」というボードを首からぶら下げるほか、同じく白衣を着たKKロングセラーズ真船さんが「著者です→」というボードを掲げ黒岩さんをアピールする。
今後、滋賀、沖縄、北海道などを回り全都道府県を制覇するという。同書の価格は1,680円。