和洋食器販売と飲食店を手掛ける「遊器ゆあさ」(名古屋市中村区名駅4、TEL 052-582-8088)は同社が運営するギャラリー&フード「蔵 嘉楽」(同)で9月5日、「落語と講談を聞く会」を開く。
1900(明治33)年創業の同社は、100年以上にわたり陶器を扱ってきた老舗。錦通と広小路通間の路地に位置し、倉庫を改装して作られた蔵作り風の「蔵 嘉楽」の店内は「木の温もりが感じられ田舎の家に帰ってきたような雰囲気」を漂わせる。
同店では月に2回以上イベントを開催している。30人ほどの収容スペースということもあり「日本や名古屋の文化を目の前で見て、その迫力を肌で感じてもらえれば」と四代目・湯浅千久さん。企画は、ノコギリで音楽を奏でる「ミュージカルソウ」や朗読、シタール演奏、個展、トークショーなどジャンルにとらわれず幅広い。「知っているけど見たことがない、聞いたことのないような文化・アート・芸能など、ここを拠点にいろいろな人に伝えることができれば」と思いを込める。
「落語と講談を聞く会」は今回で2回目。初回と同じく大須演芸場など名古屋を中心に活躍する落語家・雷門福三さんと、タレントの顔も持つ講談師・古池鱗林さんを迎える。5月に開いた1回目のイベントでは、2人の話術に魅了され「話し手と観客が一体となって盛り上がった」と振り返る。
名古屋出身の2人が話す語りは、名古屋弁を巧みに操り「一瞬にして不景気も忘れてしまうほど、何も考えずに笑える」(湯浅さん)という。実際に生で見る落語・講談は「身のこなし、顔つき、目つきなどテレビなどでは味わえない迫力がある」とも。
最も近いところでは客との距離が2メートルも離れていないため、出演者からも「直接、反応が見えるので勉強になる」と好評を得ている同企画。湯浅さんは「みんなが興味を持つような魅力あるものを探すのが大変」としながらも、「名古屋駅近くでこうしたイベントを開いているところはあまりないので、今後は名古屋甚句・都々逸(どどいつ)・怪談などなかなか触れることができないようなイベントを企画してみたい」と意欲をみせる。
会費は3,000円(菓子・飲み物付き)。開演時間は、1部=15時~、2部=18時~。各回ともに定員25人。2部終了後に2人を囲んで懇親会(予約制、参加費別途=2,500円)も予定。申し込み・問い合わせは同店まで。