名古屋城内(名古屋市中区本丸1)を会場とする「名古屋城宵まつり」が8月6日から始まり、初日からにぎわいをみせている。
名古屋開府400年でもある今年のコンセプトは、「未来への架け橋、名古屋城から祭りでつなぐ まち・ひと・夢!」。従来のちょうちんをメーンとする雰囲気に加え、「400年」の歴史を「時の流れ」という視点からとらえた空間づくりやイベントを企画する。
今回の見どころは、国重要文化財で普段は非公開となっている「東南隅櫓」の初めての夜間特別公開。名古屋城創建当時の原形を残す建物内部には、あいち造形デザイン専門学校の学生による華(はな)をテーマにした光のオブジェを展示する。単に歴史的建造物を公開するのではなく、アートと文化財を組み合わせることで400年の歴史の暗闇をほのかに照らす空間が幻想的な雰囲気を醸し出す。オブジェを手掛けたあいち造形デザイン専門学校2年の北嶋さんは「1階に展示している『つぼみ』をイメージした作品の完成度が高いので、ぜひ注目してほしい」と話す。
そのほか、名古屋の街「400年」の移り変わりを写真や展示物などで体感できる「ときの館」(西の丸展示館)や地元で活躍する作家たちが名古屋の名所を描いた「新名古屋名所図」展(本丸エリア)も開府400年を記念して開催している。
期間中、毎年人気が高い「名古屋城大盆おどり」、「天守閣夜間公開」、「火縄銃実演」、和太鼓の演奏やショーなど日替わりで内容が変わるイベントステージ、ライトアップされた名古屋城や隅櫓を眺めながら楽しめるビアガーデンや夜店など、さまざまなイベントを通して「懐かし&伝統空間」を提供する。
今回で5回目を数え名古屋の夏の風物詩となった同まつりは、毎年7万人以上が来場する人気イベント。初日は平日にもかかわらず、浴衣姿のグループや家族連れ、仕事帰りのビジネスマンなど多くの人が足を運こび、「毎年、浴衣を着て来るのを楽しみにしている」(30代主婦グループ)、「今年で3回目。盆踊りや屋台など、いろいろイベントがあるので楽しい。子どもが大きくなっても一緒に来たい」(親子3世代家族連れ)など子どもから大人まで夏の夜を楽しむ姿が見られる。
同実行委員会担当者は「今年は開府400年という記念の年。名古屋城で開くまつりを通して名古屋という街を知ってもらい、楽しんでもらえれば」と話す。
開催時間は17時~21時。入場料は、大人=800円、小学生中学生=200円(共に前売りは100円引き)。来場客には毎日先着で、うちわ(1,000 人)、鈴虫(100人)を進呈する。今月15日まで。