老舗仕出し料理の八百彦本店(名古屋市西区幅下1)は7月31日から、同社が運営する徳川美術館中庭内のレストラン「日本料理 宝善亭」(東区徳川町、TEL 052-937-0147)で尾張徳川7代目藩主「徳川宗春」時代の料理を再現した「宗春御膳」を限定販売している。
現在、同館では名古屋開府400年を記念し、残された史料や伝来した品々から名古屋城を紹介する「大名古屋城展」を開催中。これに合わせ今年2月、「宝善亭」をオープンしたことも手伝い、1995年から同館で販売してきた「宗春弁当」をリファインし「宗春御膳」として販売することになった。「宗春公の治世により、『名古屋の繁華に京(興)がさめた』とまで言われた元気な名古屋になることを祈り享元期の料理を再現した」と専務取締役の三浦剛裕さん。
「宗春御膳」は、当時の名古屋の様子を書いた『夢の跡』『遊女濃安都(ゆめのあと)』などの文献を参考に南山大学教授・安田文吉さんの解説を基に献立を作成し、尾張徳川家由縁のものや芝居小屋が並ぶ繁華街で売られていたものなど取りそろえている。「当時の味を再現しつつ、現代のお客さまの口にも合うよう工夫した」。
赤みそ・木の芽田楽、タコ、ナマズ、イモの串刺し、淡雪豆腐、煮物、あこや菓子、五平もちなど11品目で盛られた「籠盛り」を中心に、「向付」=タイ細造りほか、「椀盛」=温そうめん、「焼物」=アユ塩焼き、「御飯」=菜っ葉の塩漬けをのせたご飯、「水菓子」=西瓜シャーベットで構成する。価格は2,800円。
販売開始以来「大変好評を得ている」と三浦さん。「徳川美術館と一体になり、日本文化の美術品・解説・食事を通して 『見る喜び』『知る喜び』『食べる喜び』を体感してもらい、元気な名古屋への活力にしていただければ」という。「名物料理となり継続して販売できれば」とも。
「宗春御膳」の販売は11時~15時。予約も受け付けている。9月26日まで。