名古屋城のお堀を手こぎ和舟で巡る「名古屋城お堀めぐり」が現在、人気を集めている。名古屋開府400年記念事業の一環。
今月8日から始まった同イベント。船頭がゆっくり竹ざおでこぎながら運行する和舟は、「心地良い風を感じながら、普段見られない角度(下から見上げる)から天守閣や櫓(やぐら)、石垣を眺めることができる」ことが好評で連日、観光客や地元の人たちでにぎわいをみせている。
1日3回発売する乗船券は、発売時間前から多くの乗舟希望者が並び、発売直後に完売となることも。土日には1日の乗船人数が計126人のところ、初回の発売時間に130人以上が詰めかけたこともあり、現在では「順番待ちリスト」を作り対応に追われている。「あまりの反響にびっくりしている」と同実行委員会担当者。
運行ルートは、南御波止場跡から西北隅櫓で折り返して戻る約40分のコース。「名古屋城の数あるお堀の中でも特別」といわれるお堀は、もともと二之丸御殿に住んでいた初代藩主の緊急脱出経路として用いられ、その後4代藩主が西側にあった波止場から船で城に入ったという「藩主のみ往来できた」非公式ルート。同担当者は「400年の歴史を感じていただき、城の素晴らしさを再認識してもらえたら」と話す。
船は1日14便(定員1便につき9人)。運行時間は10時~15時40分(最終便15時発)。乗車券発売時間は9時30分、12時、14時。料金は、大人(中学生以上)=500円、小人(12歳以下)=300円。別途、名古屋城観覧料(大人500円・中学生以下無料)が必要。今月31日まで。