丸の内と国際センターの間、堀川沿いの四間道の程近くに、深夜まで営業する和食店「馳走和醸(ちそうわじょう) すぎ」(名古屋市中区丸の内1、TEL 052-231-1901)がオープンして1カ月が過ぎた。オープンは9月13日。
店舗面積は約19坪で、カウンター9席、テーブル6席。テーブル席はのれんで仕切った個室風に仕上げた。「店名には、和を醸し出す店内でゆっくりとごちそうを味わってほしいという意味を込めた」とオーナーの杉江郁生さん。カウンターは杉の一枚板、引き戸を開けると飛び石と玉砂利。琴や三味線の音色が流れる店内は、個々の料理がはっきり見えるよう明るめの照明を使う。
杉江さんは京都の料亭で10年間修業。その後、カウンターのある店をと考え、京都、東京のカウンター割烹(かっぽう)で経験を積む。さらに名古屋の和食店を経て、オープンにこぎ着けた。出店場所については、「都心部から少し離れた雰囲気のあるところで開店したかった。ここは名古屋駅からも栄駅からも、そう遠くなく、昔ながらの街なのが気に入っている」という。
和食店としては珍しく深夜2時まで営業する同店。「深夜に本格的な和食が食べられる店はあまりない。きちんとした和食の良さを多くの人に知ってもらいたい」。毎朝通う市場や信頼する店から仕入れた旬の食材を「余すところなく味わってほしい」との思いから、22時までは「おまかせコース」(5,000円)のみを提供。内容は八寸、造り、焼き物、小鍋など全6~7品目。魚は基本的に天然もののみを使う。日本料理が基本だが、時にはジビエや西洋の食材を取り入れた創作和食も用意。22時以降深夜2時までは一品料理で対応する。
杉江さんは利き酒師の資格も持ち、日本酒にもこだわっている。店には常時約35種類の日本酒を用意。「ほとんどの酒は、実際に蔵元に足を運んだり、日本酒の会に参加したりして出合ったもの。『食と杯が進む酒』を置くようにしている」。日本酒は一律一合600円。アルコール類は原則に600円で統一する。「本当においしいものが食べたい、おいしいお酒が飲みたいという人に、ゆっくりとした時間を楽しんでもらえたら」
営業時間は18時~翌2時。