映画製作を行う「名古屋活動写真」が現在、名古屋城をテーマにしたドキュメンタリー映画「名古屋城物語」の製作に取り組んでいる。
「名古屋活動写真」は、名古屋や東海地区の文化・芸術・歴史を映画にして保存していくことで、地域に貢献することを目的として集まった集団。代表は名古屋ビジュアルアーツの映画講師でもある森零監督で、映像クリエーター、カメラマン、専門学校生などが参加している。
同作では、清洲越で築城された名古屋城、城下町、堀川、尾張徳川家など名古屋城にまつわる歴史やエピソード、名古屋城の再建、現代の様子までをまとめたもの。名古屋空襲で焼失する前の旧名古屋城になじみのある年配者や、構造に詳しい人など20~30人のインタビューを撮るほか、資料写真、映像などで構成。戦争で焼失する前の旧名古屋城の8ミリ映像など貴重な資料も盛り込む。
今年4月から本格的に製作に取り掛かり、10月まで取材・撮影・資料収集を行う。名古屋城内では今月、「名古屋おもてなし武将隊」のメンバーの撮影が行われた。名古屋城を築いた「徳川家康」、家康が尊敬していた「織田信長」、城の石垣を手掛けた「加藤清正」が参加し、それぞれのエピソードを迫力のある口調で語るシーンを撮影。
「資料とナレーションだけの固い映像ではなく、若い人にも興味を持ってもらえるような、誰にでも楽しんで見られる映像にするため、武将隊のメンバーにも出演を依頼した」と森監督。「ストーリー性を重視した構造のドキュメント作品に仕上げる。この映像で、名古屋城の素晴らしさを知ってもらうきっかけになれば」
作品は12月に完成予定。来年1~3月に上映会を行う。