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シネマスコーレで映画「モンゴル野球青春記」-愛知出身の監督、原作者らが登壇

映画「モンゴル野球青春記」に来名し、シネマスコーレ前でサイン会を行う面々。左から監督の武正晴さん、原作者の妻のソロンゴさん、原作者の関根淳さん

映画「モンゴル野球青春記」に来名し、シネマスコーレ前でサイン会を行う面々。左から監督の武正晴さん、原作者の妻のソロンゴさん、原作者の関根淳さん

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 名駅の映画館「シネマスコーレ」(名古屋市中村区椿町8、TEL 052-452-6036)で7月27日・28日、映画「モンゴル野球青春記」の公開に先立ち、武正晴監督らが舞台あいさつで登壇した。

原作の「モンゴル野球青春記」

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 同作は、愛知県出身の原作者・関根淳さんの実話を映画化。同県出身の監督が13年前に原作を読んで以来、映画化したいと熱望し、今回、日本とモンゴルの国交40周年を記念したプロジェクトの一環で、長年の思いが一つになった。

 ストーリーは、敗戦試合のラストバッターという苦い経験を持つ元高校球児の「関根淳」が、ひょんなことから、社会主義崩壊直後のモンゴルに野球を教えに行くことから始まる。野球を知っている人がほぼいないモンゴルで子どもたちに野球を教えることに奮闘する関根役を演じるのは、映画「リアル鬼ごっこ」などで注目された石田卓也さん。関根と確執を抱えながらもモンゴルで野球の指導に尽力する監督・マグワン役を演じるのは、映画「チンギス・ハーン」でチンギス・ハーンの弟役を演じ、モンゴルの国民的俳優となったジャルガル・サイハンさん。モンゴルの野球青年たちは、現地で監督自らがスカウトした面々や、当時、実際に関根淳さんに野球を教わっていた生徒などが出演。さまざまな困難の中、国や言葉の壁を乗り越えて熱いドラマが繰り広げられる。

 武監督は、「東日本大震災(2011年)を受けて、ふと、自分のやりたい作品を作らなくてどうするんだという気持ちになり、震災の1カ月後に、長年映画化したいと思っていた今作の視察をするためウランバートルへ視察に行くことに決めた。実際に関根さんが出会った人たちに話を聞き、彼の追体験をする中で、やはりこの題材は映画にするべきだという思いが強くなった」と語った。

 野球ができるモンゴル人のキャスティングができるのかという不安を持っていたというが、視察中に訪れたレストランで、日本で高校野球をしていたという青年との偶然の出会いがあった。「一番探すのが難しいと思っていた、日本語堪能なオトゴ役が見つかったと思い、すごく感動した。そういった役者ではない現地の方がこの映画にはたくさん出ているが、その方たちの自然な表情や演技がこの映画の魅力」とも。

 舞台あいさつには、特別ゲストとして原作者の関根淳さんと、作品の中で彼の最大の理解者として登場し後に結婚もする妻、ソロンゴさんも登壇。この映画の好きなシーンについて関根さんは、「僕がモンゴルを去った後、教え子のオトゴがアメリカで行われた試合でホームランを打ったというシーンがあるのだが、彼らが国際試合でホームランを打つというのは本当に奇跡に近いことなので、指導していたときのことを思い出し胸が熱くなるものがあった」と、今でもモンゴルの生徒を思う気持ちを語った。それを受け、武監督は「関根さんがモンゴルに残した功績は大きく、映画に出演した素人の野球青年たちも、自分たちの知っている先生の話だからということで熱を入れて演技をしてくれたんですよ」と続けた。

 最後に関根監督は、「モンゴルだけでなく、多くの国で今でも野球を教えている日本人がいる。それはスポーツだけでなく、さまざまな分野においても奮闘している人たち。その汗と涙の努力をこの映画を通して多くの人に伝えたい」と話し、多くの来場を呼び掛けた。

 同館での上映は8月3日~9日。

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