名駅の映画館シネマスコーレ(中村区椿町8)に8月5日、映画「猫目小僧」名古屋公開初日で監督の井口昇さんと原作者の漫画家、楳図かずおさんが舞台挨拶に訪れた。
当日は朝から整理券を配布し、劇場の席数51席に対し約100人が訪れ、補助席を使用し対応、また劇場前の売店では、劇中に登場する妖怪「肉玉」にちなみトマト味ベースの肉団子スープ「肉玉汁」(100円)なども特別に販売した。
楳図さんはトレードマークの赤いボーダーTシャツで登場し、代表作「まことちゃん」に登場するギャグ「グワシッ!!」などをかたどった数種類の巨大な「グワシハンド」を持参。監督の井口さん、来場客と一緒にお決まりのポーズで挨拶した。
「昔から楳図作品の大ファン」という井口さんは、2005年楳図さんの作品を題材にした短編作品「楳図かずお恐怖劇場『まだらの少女』」を監督した経緯があり、自身の希望で映画「猫目小僧」の監督が実現。12日間という限られた期間で作品を完成させたという。
井口さんは「もしヒーローものを撮るなら『猫目小僧』と決めていた。夢が叶って感無量です。」と話し、一方楳図さんは、「今日ここに来る途中、電車で坊主頭の不気味な少女を見ました。よく妖怪のような人を見かけます」と話し、同館支配人の木全さんが「楳図さんには、普通の人間も妖怪に見えてしまうのですか?」と質問すると、「人の顔をじっくり観察していると、妖怪のように見えてくるんです。美人すぎる女の人って、不気味ですよね」と独特の感覚について語った。
また、来場客からの「楳図さんは腱鞘炎のため10年漫画を描かれていませんが、新作の予定は?」との質問に、楳図さんは、「漫画を描く予定はないが、最近は映画と縁があるので、自分で作った話を自分で監督してみたい」と答え、映画監督実現への意気込みなども語っていた。
最後には、楳図さんの代表作「神の左手 悪魔の右手」にちなんで楳図さんが考えたというギャグ「グワシの左手、ギョエーの右手!」を来場客全員と言ったあと「サバラ!」と言って会場を去り、最後まで来場客を笑わせていた。
同作品は、8月18日まで同館で上映予定。