名鉄名古屋本線・栄生駅近くに3月30日、京都のアンテナショップ「丸竹夷(まるたけえびす)」(名古屋市西区栄生2、TEL 052-462-8833)がオープンした。
店舗面積は50坪。店内では、京都の伝統工芸品をはじめ、雑貨、食品などを販売するほか、京都府全体の地図を掲げパンフレットを並べた情報コーナー、日本茶などを提供する「茶ろん(サロン)」も展開する。出店をきっかけに「成澤勝治郎商店」の屋号で会社を設立した成沢崇さんによると、京都のアンテナショップは東海エリアでは初出店という。
築80年超の町家を改装した同店は、戦争で焼け残ったエリアで長屋が続く街並みが目立つかいわいにある。間口が狭く奥に長い造りをそのまま生かし、「うなぎの寝床」と呼ばれる京町屋のような造りとなっている。
名古屋出身の成沢崇さん。大学時代に手掛けた研究で京都に通い詰めて詳しくなり、メーカーや観光協会とのつながりもたくさんできたという。「京都が好きで情報もルートもある自分が、東海初の京都アンテナショップを作ろうと思った。京都は北に行けば海もあるし、南ではお茶栽培が盛ん。京都市内だけでないことを知ってもらえれば」と成沢さん。
香(こう)の香りが漂うショップには、成澤勝治郎商店のフィルターを通してセレクトしたという商品が並ぶ。木の板や棒を組み合わせて作る京指物、陶器の朝日焼、清水焼は若手作家の作品などを並べる。このほか、金網工芸品、竹製品、茶葉、漬物、つくだ煮、調味料、お香、和紙を使った雑貨など。
「茶ろん」は最大22席。中庭を抜けた奥部屋の一角で、縁側席(4席、雨天は利用不可)も備える。「一煎ごとに味が変わる」という日本茶は「上林春松本店」(京都府宇治市)の商品を中心に販売する。ラインアップは、抹茶(琵琶の白、550円)、玉露(千早振、540円)、煎茶(徒然、450円)、ほうじ茶(せいふう、450円)、「京都亀屋良長」の季節の干菓子を付けたセットメニューも販売。そのほか、抹茶ミルク(450円)、煎(い)りたてほうじ茶ラテ」(540円)など。
成沢さんが「京都の定番スタイル」と話す、オムレツ状の厚焼き卵をサンドした「たまごサンド」、つくだ煮や漬物を使った「五條長兵衛のお茶漬け」(以上、550円)、抹茶と黒みつのパフェ(550円)なども用意する。5月末からは、おばんざい(3~4品)、メイン料理、汁物、ごはんをセットにしたランチも販売する予定。