名古屋を中心とした東海エリアの「良いもの」を体験できるプログラムツアー「大ナゴヤツアーズ」が4月から始まる。
同企画運営のために実行委員会を立ち上げ、代表を務めるのは名古屋出身・在住の加藤幹泰さん(32)。名古屋を中心とした地域の物事などをテーマに「授業」と呼ぶイベントを一般向けに企画・運営する「NPO法人大ナゴヤ大学」メンバーの一人。
「大ナゴヤ大学で実施してきた魅力的な授業を、継続的にたくさんの人が参加できる手法を探っていた」と加藤さん。「機会があればまた参加したい」というリピートも多く、地域の魅力に興味がある人がいるという手応えを感じたという。「よりたくさんの若い世代にも興味を持ってもらいたい」「価値に対する適正な参加費で自主運営を行い、仕事として確立できるのでは」と考え、今回の仕組みを作った。
ツアーは土曜・日曜開催が多く、1回につき2~3時間程度のミニツアーが中心。「市民ガイド」と恊働した内容で、食べ物、建築物、陶器などの産業、工場見学、祭りなど、現在、6月までに31ツアーを用意し、参加者を募っている。
名古屋駅近く、柳橋中央市場エリア内にある名古屋で唯一のクラフトビール醸造所「ワイマーケット」代表の山本康弘さんが案内するツアーは、市場での「おつまみ」探しへ参加者同士で買い物に行き、ビールの製造工程を学べる醸造所の見学、クラフトビール6種の飲み比べで気に入ったビール1杯を自分でサーバーから注ぐ体験の後、「おつまみ」とともに味わう。
ノリタケミュージアムを会場に行うツアーは同ミュージアム学芸員の中井宏美さんが案内し、オールドノリタケの技法や形状、歴史、成長の過程などエピソードを知ることができる。転写シートを使って自由にデザインできるオリジナルマグカップ作りも付く。
名古屋の伝統工芸である名古屋黒紋付染の山勝染工の中村剛大さんの指導の下、染めの技法を体験できるツアーは、若い人にも染めの面白さを知ってほしいという考えでファッションを掛け合わせた内容。コットン、麻、レーヨン素材の洋服を持参し、自分で染め替えの体験ができる。
加藤さんは「地元の人に楽しんでもらいたい。そうすることで地元以外の人にも楽しさを発信できる。映画鑑賞やショッピングなど同じように、地元の人が週末に遊べるコンテンツにしたい。それが観光につながる」と意気込みを見せる。
ツアー内容の詳細や申し込み方法は「大ナゴヤツアーズ」ホームページで確認できる。