円頓寺商店街近くにクリエーターの作品が集まるレンタル展示ブースとカフェを備えた店「円道寺(えんどうじ)横丁」(名古屋市西区那古野1、TEL 052-750-9434)がオープンして約2カ月がたった。オープン日は8月1日。
2軒分の長屋をつなげリフォームした同店。1階はアクセサリーやクラフトの展示スペースで、現在30人ほどのクリエーターが各ブースで作品を展示販売している。展示スペースの使用料金は1週間=2,000円~。店舗中央にはカフェスペースを置き、ドリンクを楽しみながら作品を見ることができる。
このエリアが地元というオーナーの青山大介さん。青果店だったこの長屋の大家から「町おこしに利用できないか」という要望を受け動き始めた。当初は1人の木工作家と協働し展示スペースを作る構想からスタートしたが、今では展示スペースのほか、カフェ営業、ワークショップの開催も行う。「1人の作家さんから横のつながりが生まれ、またそこから新しいつながりができた」と青山さん。店の名前は円頓寺の「円」と、近くにある古民家や土蔵が並ぶ四間道(しけみち)の「道」の文字を取って付けた。
参加しているクリエーター同士がコラボレートし、新しい作品も生まれているという。店長の早川直里さんは「みんなで協力して一つになって進んでいく『円』と、隣近所で協力して進んでいこうという思いの『横丁』。円道寺横丁はいろんな集まりでできているのでは」と話す。
カフェではランチも提供。土曜・日曜は主に野菜を使った「ベジタブルランチ」(1,000円~)、水曜は担当するシェフの畑の朝採れ野菜を使い、卵・乳製品不使用の「ビーガンランチ」(ドリンク付き、1,200円~)を用意する。「(体に)取り入れるもので意識が変わる『食』と、風が通り、光が差すようなイメージの『住』の部分、ゆくゆくは上質な染め物を使った『衣』の部分まで提供できれば」と早川さん。
店舗外の軒下にはさい銭箱が取り付けられており、願いを掛けて投げ銭を投げ入れることができる。「私が古物を扱っていたこともあり、扉や柱、酒だるなど古材を再利用し、しっくいもみんなで塗って店舗を作った。古材としてあったさい銭箱を外に付けたら面白いかもしれないというアイデアがスタッフから出た」と青山さん。「実際、皆さん夢中になって遊んでいく。さい銭箱がいっぱいになったら、駄菓子を買って菓子まきができたら」と笑顔を見せる。
「初めて来てもどこか懐かしい雰囲気にしたかった。ここは名古屋駅、国際センター駅からの人の流れができていて、外国人も来る。日本のテイストを海外の人にも知ってもらえたら」とも。11月には円頓寺商店街で行われる「パリ祭」に合わせ覚王山アパートから移設した素材展を予定。2階の欄間のある畳の部屋には撮影スタジオができる予定だという。
営業時間は11時~18時。